年末年始の休みも終わり、体もゆっくり休めたし、少し気になることを書こう。
年末にいろいろな学科の
卒業研究のプレ発表を聴いて、総評で話したことをもう少し細かく。
私は卒研を担当していないので、ちょっと辛辣に。ww
「卒業研究」をしているのに、研究になっていなくて勉強になっている学生が多いことか。
ある部分、教員側の指導の問題でもあるのだが。
研究:今まで正解がなかったことを、 過去の知見と自ら構築した理論、科学的検証実験を通じて明らかにすること。アウトプット
勉強:過去に「これは正しい」と決着がついていることを学び深めること。インプット
過激に言えば、研究は今まで無かったものを形にして見せることなのだ。(例:ガンの特効薬)
とは言え、研究のレベルにおいて研究者にならない一般学生が取り組むのは「白黒をつける」ことぐらいなのだろう。(例:△△な状況では、今までよく使われてきた××法より◇◇法の方が有効だ)
では、なぜ一般的な学生にも研究という苦しい高いハードルを課すのだろうか。学生に聞いたら、相当辛いらしい。
それは、今の社会が引かれたレールの上をなぞる仕事がどんどん減り、常に創造性を求められるからである。
勉強ではその創造性創出の問題発見・問題解決の考え方や方法を得ることが出来ない。
目の前に無いものを形にする考え方や方法を会得するには研究という試練を通り抜けなければならないのだ。
プロジェクト型学習が創造性創出に効果があるという考え方もあるが、それとて最終的な報告は研究形式だし、更にプロジェクトのテーマ設定が重要である。
卒業研究で学生が最も悩むものに「卒業研究のテーマ」がある。テーマを決めるのに半年かかる学生もいる。
ただ、悩む学生のほとんどが「勉強のテーマ」を探している場合が多い。
本来は研究室や指導教官のコア・コンピタンスとその知見の蓄積があり、研究室内でのその学生の立ち位置があれば、技術動向や思想動向からおのずと決まりそうなものなのだが。
パンクしそうになる学生のほとんどが、ありとあらゆる分野の巨大な(過去に自分とは何も関係の無かった)テーマを選択するからなのである。
この辺りは、教員が頻繁に指導していれば回避出来ると思う。
たぶん学生生活最後になるであろう関門「卒業研究」とは、まずは「問いを立てる」「問題を解決する方法を創る」「考えた事を論理的に人に納得させる」という今後の人生において最も重要な事を学ぶ場なのである。
困った卒業研究発表ベスト3
1)作品を作った話(問いが無い)
2)検証実験が1件のみ(帰納法で言うところの「早すぎる一般化」)
3)先行研究の引用が無い(研究室に知見の蓄積が無い)
番外)既存のアプリケーションや商品の話(もう勉強の域も超えているw)
本番まであと20日間。頑張ろう!
◇研究とは何か分からなかったこれを見よ:
アサリがあっさり死んだわけ 豊島区立池袋第3小学校4年大澤暁人くん