9月21日(土)は、第5回目で前回のフィールドワークに引き続き質的調査の一環であるユーザーインタビューの回。
ここで、何度も強調したのは「ユーザーを見ろ、ユーザーに聞くな」です。
ユーザーにいきなり「何か困ったことがありますか?」と聴くぐらいアホなことはない。
インタビューのコツは、如何にインタビューイに一旦内省させておいて訊くかだ。
しかし、教科書に書いてある通りの訊き方で良いのかというと、そんなに甘いものでは無い。
皆さんが、友達なったばかりの人の人格を理解するには、何度も会って何度も一緒に何かをして、やっとある時ハッと「この人、こういう人なんだ。」と分かる訳である。
私達がやろうとしているのはインタビューやフィールドワークでは無く、何らかのインサイトを欲しいだけなのだ。
そのために、メソッドの通りに「こうやらなくてはならない!」と思う必要は無い。
インサイトを得るためにはあの手この手を駆使して探るのが正しい。
ただ、むやみやたらとやれば良い訳では無い。
先人達が「こういうやり方の方が、インサイトを得やすいよ。」と残してくれたのがメソッドである。
まずはそれを基本にして、覚えたら次は崩しを試してみよう。
そう思ってみると、やはり観察が大切。
接客のプロ達(美容師さんや寿司職人さん不動産屋さんなど)特にカリスマ的な人は、まず何かを差し出してユーザーの反応を見て推論を立て、お客さんの反応と理由をそれとなく聴くという行為を繰り返して、その客の輪郭を形作って行くのだ。
よく「仮説検証をするな、問いを立てろ」と言います。
今回は、先にあるテーマに関してカードを何枚か書いて貰い。
インタビューイが、それを持ってインタビューに答えるというのをやって貰った。
しかし、そのカードに書いてあることがしょぼいと、インタビューイから得られるインサイトも甘くなる。
KJ法の川喜田二郎先生も、推論を立てるには「知識の収納庫」が大きくなくてはいけないと言っておられる。
やはり、インタビューにも教養が重要ということなんですね。
ちなみに懇親会は、とても良いインタビューのトレーニングの場だ。
出来るだけ積極的に参加して、腕を磨きましょう。
◇受講者のブログ
・ Aschwandenさん:Xデザイン学校でUXを学ぶ #05
・永田さん:第5回 ユーザーインタビュー
・数野さん:Xデザイン学校ベーシックコース #5
・剣持さん:UXデザインを学びに行ったら、ユーザーの本音を知る事の難しさと、それを知るための様々な手法を学びました。
・玉木さん:2019 Xデザイン学校ベーシックコース#05ユーザーインタビュー
◇Xデザイン学校2019 ベーシックコース・アーカイブ
05月25日(土):#01ブートキャンプ
06月22日(土):#02ビジネスインタビュー
07月27日(土):#03エスノグラフィ
08月24日(土):#04質的調査の価値分析
09月21日(土):#05ユーザーインタビュー
10月26日(土):#06ペルソナ作成
11月30日(土):#07構造化シナリオ
12月21日(土):#08プロトタイピング
01月25日(土):#09ユーザー評価法
02月22日(土):#10発表と講評