多摩美 情報デザインコース後期末展に行ってきました
2010.01.10 Sunday
先日ご案内した多摩美情報デザインコース後期末展に行ってきました。
11:00からは、須永先生・吉橋先生の「サービスデザイン」の公開プレゼン。
これ面白かった、モックアップを組み合わせるハンバーガーのノンバーバル注文システム。そこは3年生なりではあるが、ある種の新しいインタフェースの未来を示唆していると思う。
今の時点では、他の講評者からも指摘があったが「サービスの継続性」を考えると、3回ぐらいでユーザが飽きるかも。
国際空港や万博会場のような、初見の外人旅行者向けのレストランには面白いかもしれないが、それをハンバーガーというグローバルな食品ではなく、トッピングの多いドメスティックな店舗のサービスで考えて欲しかったよ。
これは一番気に入った「紅茶を飲みながら小説を読むサービス」。テーマをあまり拡散させずに、上手くサービスとデザインを融合させており、見る者に次への発展をイメージさせるところが秀逸。
途中Macの調子が悪くなり、調整中に吉橋先生がプロセスの説明。
前段階の調査とその記述法の方が興味アリ。冊子にしてくれることを希望!
気がついたのは、多摩美はインタビューよりは観察重視なこと。これは校風か?
流石多摩美、デザインを楽しんでいる雰囲気がムンムン。Outputのクオリティが高いのはいいよね〜。
Webサービスには短期的な初見のユーザを対象にしたものと、継続的に使うヘビーユーザを対象にしたものがある。たとえば前者は「ぐるなび」であり、後者「食べログ」だ。
前者は初見のユーザを導くユーザフレンドリーなナビゲーションが不可欠で、後者はある程度の学習を終えたユーザを対象とするためにショートカットとそこから発展する検索システムが必要になる。
ユーザがいきなり「野菜炒めが食べたい」と思ってレシピサイトを見る可能性は低いものだ。そこで「野菜炒め」にたどり着く導線のユニークさが大切なのだと思う。
最後にプレゼンした、スーパーのチラシからレシピに至るサービスは、見た目は地味だがヘビーユーザ向けとしては素晴らしかったと思う。
人間の記憶は、再生か再認によって引き出される。再生は完全(連想的)に覚えていることだから、学生ユーザなどは知識としてのメニューが少ない場合は命令入力出来る選択肢が極端に少なくなる。それに対して再認は、ある条件や既に書かれたメニューを見ることで記憶のトリガーが引かれるから思い出しやすい。冷蔵庫に残っている鶏肉と長ネギを入力すると「油淋鶏」が出てくるというようなGUIがまずは必要かと思う作品がいくつかはあったかな。
そう思うと「クックパッド」は良く出来てるね。
14:30より森川先生の「ウェブ構築応用」の公開講評会を見る。
僕は2005年からウェブの授業やっているのですが、今まではウェブ標準技術取得が中心で、実装に力入れてましたから。今回「実装は後回し」的な授業をやりましたが、結果、そっちの方がよかったと思っています。ご本人Twitter談
オックーくんプレゼン中
他の先生方の講評会をのぞく。永原先生の講評会はかなり緊張感あり。千葉工大のカオリちゃんが見てました。
宮崎先生のゼミ講評会
矢野先生の「知覚とデザイン」。この授業は今回一番面白かった。コンピュータで作った作品だけではなく、体を使った作業やグループワークは大切だよね。これぞブリコラージュ!
カホちゃん苦戦中。(笑)
「地上10mから自分達の写真を撮れ」という課題。彼女達は熱気球でやったらしいが、他には巨大なゴミ袋風船やペットボトルロケット、シーソーで打ち上げるものもあり。(笑)最後には全チーム写真を撮ったそうだ。こういう教育こそ多摩美らしい。