経験デザインとエスノグラフィを語る私的なブログ
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良いデザインをするには(再考)
 先日Twitterでこのような記事がリツイートされていた。

「時間に余裕があるときにこそ全力疾走で仕事し,締め切りが近づいたら流す」という働き方
http://satoshi.blogs.com/life/2010/07/working_style.html

かれこれ30年以上もこの業界でプログラムを毎日のように書いて来た私。当然、自分なりの働き方のノウハウみたいなものも会得して来たつもりだ。以前ここに「私のとっておきのプログラミングスタイル」というエントリーを書いたので、まだ読んでいないプログラマーの方にはぜひとも読んでいただきたい。

 ちなみに、そんな中でも後輩とか部下に教えるのが一番難しいのが、「スタートダッシュでできるだけはやくめどをつける」という仕事スタイル。どのエンジニアも、ちゃんと説明すればこの働き方の効用は理解してもらえるのだが、実際の現場でちゃんと実行できる人は100人に1人もいない。

 「人はみな怠惰だから、締め切りに迫られなければがんばれないんだ」と言ってしまえばそれまでだが、「まがりなりにもプロとして仕事をする限りは、ペース配分ぐらいはちゃんと考えて仕事をすべき」というのが私の主張。トップクラスのマラソンランナーでペース配分がデタラメな人はいないのに、プロとして仕事をしているプログラマーの大半が、明らかに弊害の多い「ラストスパート型」だというのはあまりにも情けない。

 そんな思いを込めて書いたのが、今回の「WEB+DB PRESS Vol.57」に書いたコラムー「『締め切りは絶対に守るもの』と考えると世界が変わる」(リンク先に全文が公開されている)。

 たぶん、いつものように100人中99人の人は実行に移すことはできないだろうが、一人でも二人でもこのコラムに影響を受けて、プロとしての自覚を持って「スタートダッシュ型」で仕事をする人を増やすことができれば幸いである。

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[追記] 特に学生の人たちにぜひとも実行していただきたいのが、このコラムの最後に書いた「授業の前の予習に8割の時間を割き,残りの2割の時間を授業直後の復習に使う。そして,試験前は一夜漬けなどけっしてせずに,体を十分に休めてフレッシュな頭で試験に臨む」という勉強スタイル。この手のリズムは、出来るだけ若いうちに体にしみ込ませておくことが大切。学生時代に「試験前日の一夜漬け」スタイルで勉強をする癖がついてしまうと、そのスタイルが社会人になってまで尾を引き、このコラムで書いたようなラストスパート型のだらしない仕事スタイルで毎回苦労することになる。「いつも締め切りに追われていて仕事が辛い」と愚痴をこぼす社会人プログラマーに知り合いがいたら、学生時代にどんな勉強の仕方をしていたか質問してみると良い。ほぼ確実に「一夜漬け型」か「学生時代には勉強なんかしていなかった型」だ。

 これは素晴らしい話で、私も以前同じような事を書いて、もの凄い数のPVがあってびっくりしたことがある。

良いデザインをするには
http://asanoken.jugem.jp/?eid=813

 一昨日のWeb制作会社での「デザインはどうやって学んでいるのか?」という質問に対して学内で話した事と、昨日ある学生から「私はデザインが下手だから。」と言われたのに答えた話がほぼ同じだったので、皆にも分かるように書いておきます。

 ここで言う「デザイン」とは、たぶんヴィジュアル的なもののことだと思います。コンセプトの精緻化とか情報の構造化などの話ではなく、色とか形とか、センスのいい人がチャッチャッチャと出来ちゃうみたいなやつのこと。

 まあ、初心者的質問には違いないのですが。それは簡単です。デザインというものには絶対値が無く相対値でしか無いことを頭に置いてください。学校でクラスの成績をつけられ慣れてるから、ついつい絶対評価だと思ってしまうのですけどね。

 1ヶ月でやる課題があるとします。大抵の学生は、28日間ぐら放置して、最後の3日間ぐらいを徹夜して仕上げます。覚えがあるでしょう?ただし、これは余程経験がありどのくらいのものが出来るか分かっている人じゃないと無理なやり方です。大抵こういうやり方をすると、徹夜の「ガー!とやったぜ。」的な高揚感と達成感で良いものが出来た気がしますがろくなものは出来ない。

 ではどうするかと言えば、どうせ2〜3日徹夜して作るのですから、最初の2〜3日で作るのです。「それじゃ追い込まれてないから、緊張感が無いよ。」といってはだめ。まずプロトタイプを作っちゃうんです。それから28日間評価を繰り返しながら、修正をします。デザインは、評価して直せば必ず良くなります。半月経った段階で、前のコンセプトを捨てて新しいものにチャレンジしても、更に良くなります。

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要するに、前者の終盤追い込み型の人は、1ヶ月間考えているといっても、その考えを外化したモデルが無いから、実は考えられてはいないのです。逆に後者の初期逃げ切り型の人は、プロトタイプがあるから、いくらでも評価と修正を繰り返せるのです。
 ここで結論。デザインは、直せば直しただけ必ず良くなる。その時間を計画的に作れば、君もデザインの達人だ♪

□関連情報:Design na Zoo

 本当にさっさとプロトタイプを作れっちゅうんじゃ!

◇関連情報
私のとっておきのプログラミングスタイル
「締め切りは絶対に守るもの」と考えると世界が変わる
わざと転ばそうという教育
ENJOY TOY AND DESIGN !
posted by アサノ | 00:22 | 情報デザイン | comments(0) | trackbacks(0) |
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