12月3日(土)UX Tokyoのメンバーが翻訳したストーリーテリングの本の完成を記念して、第5回WebUX研究会で講演とセミナーを計画した。
開催前から参加希望者が殺到して、キャンセル待ちが大量に出る。
ワークショップの密度を上げるために、通常50名ぐらいの研究会を今回は募集30名にしたためだ。
その代わり、登壇者・スタッフ計10名の贅沢体制。始まる前からワクワクのイベントとなった。
私の挨拶はそこそこに。w
まずは楽天脇坂さんの「ストーリーテリングとは何か」というプレゼン。
UCDのプロセスの中には、様々な形でストーリーが入っている。
ストーリーの流れ
・プロット:キャラクターに起こった出来事の筋立て
・シナリオ:連続した出来事を説明するもの
・ジャーニー:個人的な感情の変化を含めた流れ
だからUXジャーニーマップが必要なんだね。
これ、勉強になった!
ストーリーの種類
・アネクドート(逸話):個人的な体験を表す出来事
・ナラティブ:個人的な経験に関する物語
・ストーリー:最も広義な意味で使われるストーリー
ストーリーのパターン:英雄的構造
冒険へのきっかけ→はじまりと試練→目的の達成→日常生活への帰還
これが日常の世界と冒険の世界の境界線で分けられている。
おお、確かにロードオブザリングだ。ww
2番手はNHN Japanの酒井さん「ストーリーを集める」。
HCDプロセスにはこんなに手法がある。
それはストーリーを「集める」「選ぶ」「作る」「伝える」ため。
これは面白かった。
半構造化インタビューを使ってストーリーを集める方法。
ストーリーを効率的にノートテイク(要約筆記)する方法。
酒井さんの話は面白くて、もっと時間をとって聴いてみたい。
ここでワークショップ第1弾。
交互にアクティブリスニング中。
今回はハンドアウトも充実していました。
おお、ポストイット!
今回の参加者は、流石にこのテーマを狙って来ているだけあって手が早い。
唯一の大学生駒田くんも頑張る。
後ろで仕事中?の二人・・・。
3番手はジンガジャパンの前田さん「ストーリーを作る」。
ビジネスプレゼンテーションとストーリーテリングの住み分け。
三段階でストーリの粒度を実感。
おれらいつもストーリー�だな。。
ではどうしたら良いのか?
このプレゼンも時間が足りず、駆け足なのがもったいない。
もっとちゃんと聴きたいぞ。
ストーリーの構成要素が大切
1.視点
2.キャラクター
3.コンテクスト
4・心的イメージ
5.言葉遣い
構成要素の関連性。
続いてワークショップ第2弾。
渋谷の雑踏で本を読む若者を、木村部長(52才)が共感するようなストーリーを作る。
こちらも、しっかりしたハンドアウト付き。
各自が考える。
出来たモノを議論して、ひとつに絞る。
出来たストーリーを発表。
山田さんは、流石高校演劇部。。
この人はハンドルネームが@storywriter
サンタくんは大阪弁で語る。
4番手はアギレルゴコンサルティングの川口さん「ユーザーストーリーマッピング」。
そうそう、ユーザーのアクティビティと開発の構築順序は一致しない。
そこで使うのがユーザーストーリーマッピング。
これ、私がやってるストーリーボーディングに近い考え方だね。
HCDだと暗黙知になっていることが、アジャイルの人達って細かく定義しているのが面白い。
川口さんのスライドが公開されています。
10分間でざっくり理解する ユーザーストーリーマッピング
http://www.slideshare.net/kawaguti/user-storymapping-in-10-minutes
最後に私が司会でパネルディスカッション。
登壇者以外にネットイヤーグループの坂本さんも参加。
超贅沢メンバー。。
業務でストーリー使ってますか?各自に話してもらう。
私はインタビューから書き起こしたナラティブから、シナリオにまとめる辺りがいつも曖昧だった話をした。
今回の研究会で、シナリオはユーザビリティ上の問題を明らかにするのに使っていたが、UXに関する開発チーム内での情報共有や意思決定にはストーリーだなという感触。
坂本さんから「否定する訳じゃないけど、妄想でストーリー作ったらやばい。」との指摘も。
脇坂さんの話で面白かったのは、この本を翻訳しようとしたきっかけは「今まであまり知らなかったのだけれど、この本がアメリカで一番売れているから。」だそうだ。
それにしても、今回の研究会は今年プロデュースしたセミナーの中で一番面白く勉強になった気がする。
今年の最後に、こういう会が持てて本当に良かった。UX Tokyoの皆さんありがとうございました。
また、会場を快くご提供いただきましたKDDIウェッブコミュニケーションズの藤田さま・山本さまありがとうございました。
終了後は市ヶ谷の「天狗」で懇親会。
懇親会も35名の参加者がおり大盛況。
研究会も大切だが、この懇親会での省察が一番勉強になる。
2次会は新宿三丁目の「鼎」。なぜか京都に行っていたはずの上平先生が合流。
3次会は新宿思い出横丁の「みのる」でハイボール。
◇関連情報
・Togetter:第5回 #WebUX 研究会 ツイートまとめ
・ふぁーふぁれぽ :第5回WebUX研究会
・UX Tokyo:http://uxtokyo.org/
・脇阪さん:マーケットという大空を飛ぶために(スライド)
・坂本さん:WebUX 5th workshop on “Storytelling” in UX
◇WebUX研究会アーカイブ
2009年12月:第1回情報デザイン教育研究会
2010年05月:第2回情報デザイン教育研究会
2010年11月:第3回情報デザイン教育研究会
2011年02月:WebUX研究会×ShibuyaUXの共同HCDワークショップ
2011年06月:第4回WebUX研究会
2011年12月:第5回WebUX研究会 ストーリーテリング