経験デザインとエスノグラフィを語る私的なブログ
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UX京都2013#05 半構造化インタビューと上位下位関係分析法 
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 2月15日(土)の朝、東京はあんなに寒いのに京都は桜が咲いている。
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 御池通りの創生館の所に植えられた「御池桜」だ。
 妻に写メを送ったら「それ桃じゃないの?」だと。w
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 今回のUX京都は、午前中に「UX概論」を2時間ぐらいやって、午後がワークショップ。
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 今回より3回連続でペルソナ/シナリオ法を学ぶ。
 まずはインタビューのトレーニング。
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 インタビューから発見した事象を書き出す。
 漠然と話を聞くのでは無く、その中に潜む真実を発見・洞察することが大切。
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 それらの事象をカードに書き出す。

 上位下位関系分析法は梅澤伸嘉氏によって開発された「潜在している未充足の強いニーズを発掘出来る」グループインタビューの分析法である。 
 簡単に説明すると、インタビューや観察で見つけた様々な外的な事象を切片化し、それを行為目標(何の ためか)の似ているもの同士でグルーピングし、そのグループを上位化して最終的にユーザーの本質的な要求価値まで昇華させる手法である。

進め方 
1) フィールドメモから、観察者が意図していなかったような気になる行動、発話、被験者本人が意図していない動きなどなど様々な事象をカードに書き出す。

2) ホワイトボードや模造紙を上下三段或いは四段に分け、一番下の段(事象)よりカードを貼り始める。 

3) 最下段に外的な事象を貼り終わったら、行為目標が似ている同士をグループ化して行く。  ここでのポイントは、似ているという意味の解釈の問題である。
 私たちは日常的に同じカテゴリーのものをグループと思い込む習慣がある。
 カードの記述が抽象化されていると間違ったカテゴライズをしてしまう可能性が大きい。
 むしろカードを動詞で書いて、行動の奥に潜むユーザーの意図を汲む分析を心がけたい。

4) グループ化したものを中段(行為目標)に集め、更にまとめて最上段(ユーザーの本質的要求価値)へ上位化統合する。

5)最終的にラダーアップが完了して、ユーザーの本質的要求価値が抽出されれば分析終了である。
 これに合わせてペルソナ像を作成して行けば、コンセプトをもう一歩踏み込んだシナリオとして記述が可能になる。
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 上位下位関係分析法でインタビューイの「本質的な欲求」を導き出す。 

・カードを書く時のポイントは、出来るだけその光景が目に浮かぶように書くこと。

・ カードソートのカードを書くときに単語で書く人が多いが、「めんどうくさい」と書くのと「△△に時間がとられて、〇〇まで作業に手を割けない」と書くのでは、まったく分析が変わってくる。
 意外とこういうミスで以降の分析の精度ががらりと変わってしまうことがよくあるものだ。  
 そのために、筆者はわざと大きめのカードを使うことがある。これなら、スカスカだとかっこ悪いので、意外とちゃんと書いてくれる。

・途中によく起こりうる、それ以上ラダーアップ出来なくなるというアクシデントは、大抵の場合インタビューの不足から来るものが多い。
 この場合、被験者が外部の人の場合はお手上げだが、ワークショップのチームメンバーをリードユーザーにしている場合は、再度その件に関してのインタビューをし直せば 良い。
 それだけで、スムーズにラダーアップし始めることがよくある。
 この分析法の副次的に良いところは、この再インタ ビューを重ねながら分析を行って行くうちに、実はインタビューでの質問の勘所が身について行くことで もある。
 上位化を三段では無く四段で行い、最終的な「幸せになりたい」や「効率化したい」などという最上位ニーズの本質的欲求価値を四段目にわざと作っておく。
 そうすると、三段目の上位ニーズに具体性が出てラダーアップを行い易くなる。
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 ワークショップ終了以後は、いつもの「烏丸元気市場」で懇親会。
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 最近、懇親会に来るメンバーが固定化されて来たので、なんとかもう少し新しいメンバーとも話がしたい。
 次回はビアバッシュ形式復活でもいいかもね。

◇2013年UX京都アーカイブ
 11月02日(土):#02.エスノグラフィ
 12月07日(土):#03.ユーザー評価(観察法)
 01月25日(土):#04.ユーザー評価(NE比分析)
 03月22日(土):#06.構造化シナリオ法
 04月26日(土):#07.ペーパープロトタイピング
posted by アサノ | 00:06 | 全国UXコミュニティー関連 | comments(0) | trackbacks(0) |
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