経験デザインと食のエスノグラフィーを語る私的なブログ
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UX金沢#06 醤油をテーマにエスノグラフィーを学ぶ
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 3月21日(金祝)、(財)石川県産業創出支援機構(ISICO)内で行われている「いしかわITフェスティバル」に来ています。
 石川県の大野醤油組合が新しい醤油を売り出したいので、どうしたら良いかとのお題を頂いて、やってきました。
 あまりに難しいテーマというか、考えるための条件が揃っていなかったので再三お断りを申し上げたのですが。。
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 結局、消費者は「美味しい醤油を求めている」という答えありきの開発では無く、本当はどんなコンテキストで購入に至っているのかというアイスブレイクをすることにしました。
 なので講義をを2時間ぐらいみっちりと。
 だいいち、醤油を飲む訳では無いので「美味しい醤油」という概念は一般の消費者は持っていないよね。
 消費者が求める価値は「料理を美味しくする」というサービス。
 となると、レストランと同じで様々なタッチポイントやイノベーションがあるはず。
 思い込みは思考停止を生み出すものだ。
 そこで話したのは、以下のこと。

1)顧客の価値は利用シーンに依存する。
2)利用シーンが変わっていることを知る必要がある。
3)サービスには形が無いが、それを見える形にしないと売れない。

 キッコーマンの有名な醤油さしの成功は、台所の縁の下という醤油の貯蔵場所と醤油さしに移し替えるという利用シーンから、公営アパートの登場からダイニングキッチンという利用シーンに変わったことが原因という話
 これも有名なカシオの自分撮りカメラ。
 日本人はSNSに顔を出さないが、中国では自分撮りが主流。
 利用シーン(ユーザーのコンテキスト)は、文化的な背景で変わる。
 サムスンがインドで売るカギ付き冷蔵庫なんかも、台所のドアは裏口にあり誰でも入ってこれるので盗難が多いという、日本とは利用シーンが違うからですよね。
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 本当はフィールドワークや訪問調査とかしたいのですが。
 会場の問題で、そこまで出来ず。w
 会場で料理のヘビーユーザーへのインタビューを行う。
 金沢や東京でも教えているDMM.comのメンバーが各チームにいてくれたので、上手くファシリテートしてくれました。
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 質的調査のさわりだけなので、最初はなかなか上手くは出来ずに苦労する。
 特にインタビューが初めての方は、話を作ってしまう傾向があるので正しい答えが出にくい。
 少なくとも分かって貰えたのは。
1)企業が強みだと思っていることは、実は消費者は求めていない。
2)企業は消費者が欲しがっているサービスを把握していない。
3)消費者がいるところに企業はアプローチしなくてはいけない。
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 まずは顧客を特定するところから始めよう。w
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 最後にサービスの提案をして貰いました。
 時間が少なかったのでクオリティが低いかなと思ったが、なかなか面白い。
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 5チーム中3チームが、様々な利用シーンから「顆粒状」の醤油の提案でした。
 以前、静岡のお茶問屋さんの話を聴いた時に「今は急須でお茶を淹れない」という利用シーンの転換を知ったが。
 醤油は液体ではない日が近い将来来るのかもしれない。

発言小町:急須でお茶を淹れますか?
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 最後に醤油組合の事務長さんからのお話。
 昔醤油は煮物に使っていたので、煮終わった後はその汁を捨てていた。醤油は消費量の七割を捨てるビジネスモデルだったとのこと。
 昨今の減塩ブームは痛いそうだ。w
 新たなビジネスモデルの求められる業界なのだなと、大変勉強になりました。

◇2014年3月の金沢・京都
3月21日:金沢の夜
3月22日:京都に移動
3月24日:京都駅
posted by アサノ | 00:08 | 全国UXコミュニティー関連 | comments(0) | trackbacks(0) |
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