経験デザインとエスノグラフィを語る私的なブログ
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UX KYOTO #01 オブザベーション(観察法)1
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 8月24日(日)、UX KYOTO2014の第1回
 前回は#00でブートキャンプをやって、今回より新体制でスタートです。
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 新事務局の営業力が凄くて、初回より様々な分野からの参加者が満杯。w
 まずは定番のカップ焼きそばを食べてもらうところを観察するワークショップ。
 チームのフォーメーションはこんな感じだが。
 モデレーターは被験者の気にならない横奥に位置した方が、認知的な負荷をかけずに良いと思う。
 正面にいると、ついつい被験者が感想を語りかけてしまう形になってしまう。
 横奥にいれば、思考発話の妨げにはならずピュアな発話が採り易く、何かの場合には介入し易い。
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 カップ焼きそばのオブザベーションワークショップは各地でやっているので、レポートはそれを見て頂ければ良いのだが。
 最近とても気になったことを中心に書こうと思う。
 ここ何回かのワークショップで、こういうプレゼンがあった。
 「ツメが開け難くて困っていたので」「それを解決する方法を考えました」と。
 (写真はイメージです)
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 観察をした時に。
■最初に何から始めて良いのか戸惑っている。
■ツメをどちらの方向に折るのか迷っている。
■ツメを折らずにお湯を注いでしまった。
■ツメを間違えて内側に折り、湯切りで麺が出てきてしまった。
 という行動観察が出来たとしよう。

 しかし、これを「ツメが開け難くて困っていた」という解釈は誰がしたのであろう。
 観察者が上記の事象を見てそう思ったのか?被験者が発話で「困った」と言ったのであろうか?
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 ここで気をつけたいのは「困っている」「だから改善案は〇〇です」と一言で思考停止しないことである。
 被験者の行動は、いったい何を示しているのであろうか。
 被験者がロボットであれば「困った」という感情は無く、そこには起きた事象の背景しか無いはずである。
 認知科学的に見れば。
■最初に何から始めて良いのか戸惑っている。(可視性)
■ツメをどちらの方向に折るのか迷っている。(マッピング)
■ツメを折らずにお湯を注いでしまった。(良い概念モデル)
■ツメを間違えて内側に折り、湯切りで麺が出てきてしまった。(フィードバック)
 に問題があるとなる。原因は全て違うのである。
 それぞれ認知的には違うエラーを起こしており、その問題点に対する対処は変わってくることになる。
 よくあるのが「困っていたので」とか「検索したら」という、原因を言っているようで実は非常に大雑把に一括りして思考停止を起こしていることだ。
 その程度のくくりならば、こんなに手間をかけなくても分かることなのだと思う。

 まあ、今回は初回であり認知科学もへったくれも無いので、ただ「もう少し細かく見ようよ。」ということなんだよね〜。w
 更に言えばツメという「モノ」にいつの間にか注目していて、「ヒト」の振る舞いを見落としがちになるのが危険。
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 一通り観察が終わったら、回顧型のインタビューを行う。
 「あの時に、こんなことしていましたが、なぜですか?」みたいな感じである。
 観察の目的はヒトの振る舞い(behavior)だからね。
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 そして行動データと発話データを統合して「プロトコルデータ」にする。
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 行動データ → 問題箇所の特定
 発話データ → 問題点や改善案のヒント
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 そこからカードを記述。 
 単語で書かずに、観察メンバーでなくとも光景が目に浮かぶように書こう。
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 ビジュアライズするのも、情報量が多くなるので良いと思う。
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 カードソートする。
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 今回のアウトプット。
 簡単な「上位下位関係分析」と「エクスペリエンスフィードバック」。
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 とても面白いところに洞察(insight)を得たチームもあったけど。。
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 良い所に目がついているのだが、本人たちは「こんな程度」としか思っていないのが可愛い。w
 次回以降のスケジュールです。
 次回9月28日(日)は、今回の調査を踏まえて、新しいカップ焼きそばのパッケージのソリューションを考えてみます。

◇参加した学生さんのブログ

◇UX KYOTO 2014 アーカイブ
07月06日(日):#00ブートキャンプ
09月28日(日):#02オブザベーション(観察法)2
10月19日(日):#03フィールドワークとKA法
11月23日(日):#04カスタマージャーニーマップとRTD
posted by アサノ | 06:13 | 全国UXコミュニティー関連 | comments(0) | trackbacks(0) |
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