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アメリカ人のルート
 昨夜は、歯医者に行っていると思っていた娘が、家出娘を連れて帰ってきた。「泊めてあげていい?」と聞くから「いいよ。」と答えたら「おとうさん優しいね。」だとさ。私も高校生ぐらいの頃は家出しました。まともな家に泊まってるなら御の字だよね。その子には内緒で家に電話は入れておきましたけど。ただし「パンツ1枚でいないでね。」と釘を刺されました。

 話は変わって、学生に信用されない教師がいる。いる。

 昔読んだ山岳小説でフランスのロッシュという小説家がいます。その翻訳者が私の大叔父で近藤等という人だったので読んだのですが。「アメリカ人のルート」という短編小説がありました。筋を要約すると。

 あるアルプスの村に老ガイドと若いアシスタントガイドがいました。若いアシスタントガイドは、腕前も素晴らしくいつも老ガイドに「どうして、僕はガイドになれないのですか。」と聞いていました。すると老ガイドは「お前には足りないものがある。」というだけでした。

 ある時、老ガイドの体調が悪く代わりに若いアシスタントがお客さんを二人案内してロッククライミングに出かけました。ところが途中で大嵐になり、彼もルートを見失ってしまったのでした。

 そこで彼はお客さんに迷ったことを感ずかれないように、懸垂下降(ロープにぶら下がって降りること)をはじめます。何度も何度も繰り返すうちに、お客達は不信がり「こんなところを降りて大丈夫なんですか?」と聞いてきました。若いアシスタントは迷っていることがばれたら困るので「いや、ここは昔アメリカ人たちが拓いたルートで、最近はあまり使われていないのです。大丈夫私を信じてください。」と言いくるめます。

 悪戦苦闘ののち、麓まで降り立つ事ができました。心配して迎えに来ていた老ガイドにその嘘の話をすると「そうじゃ、お前に足りなかったのは、お客を不安にさせないことだったんだ。これでお前も本物のガイドだな。」と褒めたという話です。

 ガイド=教師って感じかな。「俺も分からない。」なんて口が裂けてもいっちゃダメだよ。専門外なら「○○先生の方が専門家だから聞いてごらん。」と言いましょう。
posted by アサノ | 12:58 | 日記 | comments(2) | trackbacks(0) |
コメント
ご無沙汰してます。 近藤等さんの親戚だとは! 最近はかなり熱が冷めてしまいましたが,高校・大学・社会人と山,山,山の生活でしたから,近藤等さんの本(ガストンレビュファの訳本)はたくさん読みました。
年齢を重ねてもヨーロッパの名峰に登っているのをうらやましく思っていました。たぶん今の私と同じ年代だったと思いますが,今の私にとっては夢のまた夢ですね。
「俺も分からない。」なんて口が裂けてもいっちゃダメだよ。 厳しい言葉ですね。私も日々「わからないは,謙遜の言葉」になるよう努力しているつもりです。今のところ,生徒に「分からない」というのは,ゲームなど遊びの話題だけで事なきを得ています。
2007/07/06 12:28 by 日学 磯崎
磯崎先生ご無沙汰しております。
私も20代後半はシャモニで暮らしたこともありまして。
一応人生の最高到達点はモンブランの4810mということになっています。
そういえば、635法もあれ以来大活躍で使わせていただいていますよ。
ありがとうございました。


2007/07/06 16:28 by アサノ
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