経験デザインとエスノグラフィを語る私的なブログ
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グループインタビュー
 デザイン開発の上流工程においては”問題の発見”を行う必要がある。そこで比較的よく行われるのが、具体的な状況に即したある特定の議題について複数の人間で議論する「フォーカスグループインタビュー」である。特にこの手法の特徴は、個人へのインタビューと違い、複数の人間に出来る限り気軽に議論してもらい、その相乗作用の中から広範なまとまったデータを採ろうというものである。個人へのインタビューとの差異はというと。

・安心感:グループであることが、参加者に安心感をもたらし素直な反応を示す。
・雪だるま:メンバー発言が、メンバーへさらなる連鎖反応を引き起こす。
・自発性:個人インタビューと違い、全ての質問に答えるよう要求されていないので、発言は自発的であり純粋。



 このように個人へのインタビューとは異なった効果があり、そこで得られたデータから問題発見の手掛かりを得ることができる。更にそのデータを基にアンケート調査や個人インタビューなどで、より詳細な問題点や解決策の探索を行い調査の精緻化を計ることができる。人数であるが、7〜8名ぐらいが最も行い易い。経験的には10名を超えると、かえって相乗効果が薄れるように思われる。グループ数も、案件によるがセグメントごとに最低2組は行いたい。

 最近はめったに行われなくなってきた、インタビュー手法ですが・・・。エスノグラフィックインタビュー全盛だからね。(笑)ただし、個のユーザに文脈的なヒアリングをする前に、「問題はどのあたりにあるか?」という当りをつけるのには効果がある。



 昨日、「学科の方針が定まらない(本人達はそう思ってないようだが)」Web科の面々を連れて、横浜にあるWeb制作会社に行ってきた。表向きは「作品のプレゼン」であるが、実は「制作会社の反応を観察」するために行くフィールドワークである。

 上記のグループインタビューならではの反応を沢山いただき、それを全てビデオで撮影してきたので、これから分析をします。

 私は中座してしまったので、全ては分かりませんが、参加した人間からのコメントからすると。Web科は「プロセスとグループワーク」を教えているのが強みと思っているけど、制作会社は「どうやってデザインを教えてるの?」と思っているようだ。



 たった1回のグループインタビューで、調査の「仮説」が浮かび上がってくる。そこにフォーカスを絞って、調査を繰り返すと「ユーザのニーズ」が浮かび上がってくるはず。教員は、自分の興味を学生に押し付けてはいけない。デザインも同じ。
posted by アサノ | 07:53 | 情報デザイン 用語集 | comments(0) | trackbacks(0) |
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