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情報デザインB 14回目 シャッフルディスカッション

シャッフルディスカッションとは
 情報デザインでは、シカゴ学派の社会心理学者G・H・ミードの「他者からの視点=客我」を応用したリフレクションやアクティングアウトなど「気づき」を導き出す手法がいくつか開発されている。シャッフルディスカッションもその一種であり、一部の教育機関では授業やワークショップに積極的に活用され効果を挙げている比較的新しい手法である。
 ミードは、客我とは他者が自分に期待している役割を取り入れることによって形成されると考えられ、他者との関係の中で「社会的自我」は成り立つということを説いた。
 シャッフルディスカッションは、開発者がその製品やシステムのコンセプトを「外化」することにより、オーディエンスからの反応を知覚し、自らの気づきや振り返りを促進する手法である。

 チーム内でのディスカッションの際に、他のチームの人間に参加してもらい、自分達がやろうとしていることを理解してもらうために説明する。

 その説明を聞いた他チームからの出向者は、理解できた内容についてコメントをする。

 このようなディスカッションを、繰り返すことにより、自分達がやろうとしていることの不条理さや非論理性が浮き彫りになり、独り善がりな暴走を防ぐことになる。これを何回か繰り返す。

 グループ同士の入れ替わり方法は、許される時間枠やシチュエーションなどにより、様々なバリエーションがある。工夫して取り組みたい。説明する人間は、必ず交代してチーム全員が行うことも大切である。

 わざと批判的な意見を言う「悪魔の援護者」的なコメンテーターを意図的に入れる場合もある。

 シャッフルディスカッションが終わったら、各チームでリフレクション。コンセプトの精緻化も重要だが、捨てる勇気も大切。

 次回15回目は、実技試験。各自が、今日までまとめてきた背景・分析・コンセプトを元に製品やサービスを視覚化します。頑張ってまとめてください。
posted by アサノ | 02:24 | 情報デザイン 授業事例 | comments(2) | trackbacks(0) |
コメント
まだまだ、考えが甘く、推敲もそっちのけで、勢いですが、ちょっと思った事をば。。。

ミードの客我の話になると、講評してもらうことと、差別化しづらいので、「私」と「他」の概念が入ってる認知心理的なところから持ってくると、シャッフルディスカッションのダイナミズムが失われてしまうと思いませんか?

ある程度、コンテキストを共有した中での、ディスカッションだからこその「他我」の視点だと思うので、レイブとウェンガーの正統的周辺参加の"周縁"の距離感のコントロールかな?とか。

この議論も、「中心」と「周縁」という非ネットワーク的な議論に落ちそうなので、シャッフルディスカッションにはあわないかも?

もしくは、ソーヤーなどが言及する、あるネットワークの中でのキャピタルの作り合いとも言えるかと。

短期間な変化なので、どうにもこじつけっぽいのですが、「他のグループがこんなことやっていた」という情報自体が自分のグループにとって有益で、かつ、他のグループに出張したメンバーに、あたらしいキャピタルを与える??とか考えたりもします。


う〜ん。やっぱりまとまらないですね。
「大先生→生徒モデル」とは対極の手法なので、手法論にすると、教育ツールとしては悲しい運命をたどりそうだなと。

と、シャッフルディスカッション自体、かなり限定的な環境でのみ成立するので(ガッコウではいっぱいあっても)、エッセンスがもうちょっと抜き出せると面白くなりそうですね。
2009/01/22 18:11 by nono
そうか!
nonoさんは、「あるネットワークの中でのキャピタルの作り合い」に着目しているんですね。
私は「認知心理的」から入っちゃうから、まとまらないのか?

う〜ん、もう一回どこかでやってみよう。
「他のグループがこんなことやっていた」というのは、相当レベルの高い集団だよね。
2009/01/22 19:17 by アサノ
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