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総括的評価と形成的評価
 やっと学年末考査が終わり、成績をつけ始めた。教員は何日も頭を悩ますことになるし、それによって学生は一喜一憂するだろう。
 特に期末の成績評価は頭が痛い。それはなぜかというと、学期の最後につける評価は「総括的評価」というものになる。それに対して学期の途中でつける評価は「形成的評価」という。

 「形成的評価」とは、我々が行っているHCDプロセスで言うと、システムを開発する際に「調査」をしたり「プロトタイプの問題点を探る」ために行う評価である。
 「総括的評価」は、開発の最終段階に「これはこれだけ良くなりましたよ。」と証明することである。
 評価の手法としては、特にどちらの評価だからこれというものは無い。

 先日の横須賀市役所Webサイトのプロジェクトで言えば、既存のサイトを評価してリニューアルの指針を決めるために行った「アンケート(質問紙調査)」や「コンテクスチュアルインクワイアリー(文脈インタビュー)」、また仕様書からプロトタイプを作ってサイトの構造化を検討した「ペーパープロトタイピング」などは「形成的評価」に当たる。開発の指針を探ったり、途中段階の良否を計ったりするのが目的の評価となる。
ペーパープロトタイピング
 それに対して「総括的評価」として行われたのは、「プロトコル分析」であった。とはいえこの評価手法が「総括的評価」のためのものとは限らない。HCDプロセスの手法は、その場面場面での使い方があり、「形成的」にでも「総括的」にも使えるのである。
プロトコル分析
 今回の「プロトコル分析」は、既存のサイトの調査を先に行った。これを様々な年齢の被験者と開発者とでNE比解析したわけであるから、どちらかというとここまでは「形成的評価」である。
 その後に、我々が作ったベータ版をペルソナに近い被験者と開発者である学生でNE比解析を行った。これはベータ版から完成版にするための「形成的評価」であり、同じタスクに対して既存サイトでかかった時間とを比較する「総括的評価」にもなる。

 このような「形成的評価」と「総括的評価」の手法が混在するのもHCDプロセスの特徴である。
山崎先生の資料
 そして、年度末の評価も1年間の学習の「総括的評価」であるが、次年度に向けての「形成的評価」の側面も持っている。本当の「総括的評価」は卒業時の成績だけなのだろうか。これすらも、長い人生を考えると「形成的評価」になるのだろうか。
posted by アサノ | 05:36 | 情報デザイン 用語集 | comments(0) | trackbacks(0) |
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