経験デザインとエスノグラフィを語る私的なブログ
インフォメーショングラフィックス展2006
 本校の近くにある武蔵工業大学の小池研究室で研究発表展があります。今うちのゼミで取り組んでいるダイナミックインフォメーショングラフィックスとも関連のある発表なので、ゼミ生には見に行くことを奨励しています。

 この小池先生のゼミは「情報デザイン」を研究する学校の中でも、とても活発に活動しているところです。年々所属する学生さんたちも増えているようですし、作品も充実してきています。

 是非見に行きましょう。

武蔵工業大学 小池研究室
インフォメーショングラフィックス展2006
http://www.yc.musashi-tech.ac.jp/~ig/index.html
6月3日(土)13:00〜19:00
   4日(日)10:00〜17:00




posted by アサノ | 08:39 | 情報デザイン | comments(0) | trackbacks(0) |
情報をデッサンする
 今日は「情報」の話です。

 IT社会が到来して、私達を取り巻く環境は激変しました。先週も書いたように、今までデザイナーは「持ちやすい」とか「座りやすい」などの人体測定をしてきたわけですが・・・。

 今の社会では、ほとんどのものがコンピュータで制御されるために、物体としての使いやすさよりも「操作しやすい」とか「GUIの階層構造が理解しやすい」などのことが求められるようになりました。

 我々デザイナーは、人体の形や動きをデッサンしたように、人間の「認知」や「振る舞い」をデッサンしなくてはならなくなったのです。

 「モノ」から「コト」の時代ですね。

 どうすれば良いのでしょう・・・か。
posted by アサノ | 08:38 | 情報デザイン | comments(0) | trackbacks(0) |
人体をデッサンする
 我々デザイナーは、道具や住居を作るために人間の体をよく観察してきました。どのような形のものが握りやすいか、どのくらいの高さのドアが出入りしやすいか、どこに置いたらとりやすいかなど・・・。ありとあらゆることを観察してきました。

 これは、前回話した「デッサンは、よく見る=気づく」に通じますよね。デザイナーにとってデッサンとは、「上手い絵を描くこと」ではなく、「ものをしっかり観察」することなのです。

 「では、じっと見ればいいじゃない。」と思う方がいると思いますが、目で見て脳を通過して手で描く、という過程を経ることで、人間の認知は確かなものになるのです。

 テスト勉強でも教科書を読むだけよりも、ノートに要点をまとめた方がよく憶えるでしょ。「デフォルメ」も必要なんです。

 デザイナーにとってのデッサンとは「人やモノの原理原則を理解するための訓練」であるとも言えるかもしれません。

 そこから一歩進んだ場所にあるのが、人間工学です。これは人間を観察し、数値に置き換えたものです。

 これも大きな意味で言えば、人の体や動きをデッサンすることなのでしょう。
posted by アサノ | 07:57 | 情報デザイン | comments(0) | trackbacks(0) |
デッサンの効用
 水曜日は終日デッサンの授業です。結構これが重労働で、一週間で一番キツイ日です。やっぱり僕は頭脳派か・・・。

 先日、「デッサンは必要か?」というような事を書きましたが。今日授業をやっていて、つくづく感じました。

 「よく見る=気づく」「順序だててモノを考える」「丁寧」「デフォルメする」などというあらゆる事に通ずる能力を、描くという身体的な訓練を通じて体得して行くのです。

 けして「上手い絵」を描く必要はなく、別の制作活動の中で活かされても良いのだと思います。

 デッサンを続けて行くうちに、いろいろな局面でその成果が出てくることは見ていて分かります。特に何につけても大雑把な人はデッサンしましょう。知的なトレーニングにも、身体性は重要なんです。
posted by アサノ | 16:30 | 日記 | comments(0) | trackbacks(0) |
横浜市役所広報課インターンシップ

 昨年から取り組んでいる横浜市役所広報課のホームページ制作のインターンシップが、今年も始まりました。

 市政の広報を、若者の視点で伝えるために、市内の学校が持ちまわりで作ります。昨日は、広報課の職員の方がみえて、最初の打ち合わせが行われました。

 本校分は年内に4件ありますので、2年生1名と1年生3名のチームを二つ作り、交代で制作します。ちょっと競争の感じですね。

 片方のチームの2年生リーダーに、本ゼミの小出さんがなりましたので、頑張ってやってもらいたいと思います。1年生達は入学2ヶ月目にしてのインターンですから、上手くリードしてあげて下さい。
posted by アサノ | 08:31 | 日記 | comments(0) | trackbacks(0) |
三つのスピード
 先日「宿題」について書きました。授業時間内に出来なかった課題を、「持って帰って完成させる。」のか「未完成でも提出させるのか。」という話です。

 ここでもう一度考えてみましょう。授業の中でのスピードには三種類あります。まずは「フィジカル」のスピードです。ある先生は「手の遅い子は、授業中に完成させられない。」という表現をしました。

 フィジカルなスピードというのは、どんな早い人と遅い人を比べても3倍違うことはありません。人より走るのが3倍速い人間がいないのと同じです。

 むしろ他の二つ「考える」スピードと「決断する」スピードが問題なのでしょう。これは人によっては100倍でも違いがあります。5分で決断することを、来週に延ばせば簡単にそうなりますよね。

 授業で課題が完成しないのは、この「考える」と「決断する」スピードに問題があるからなのです。このことを解決してあげれば、ほとんどの学生は時間内に完成させることが出来ます。また、近い将来に「フィジカル」のスピードが少し修練されれば、必ず完成します。

 それではどうすれば「考える」と「決断する」スピードを上げられるのでしょうか。それは「教材」です。ケースによって「考え方」や「展開方法」をパターン化して教えるのです。でも口頭ではダメです、聞く人によって捉え方が違いますから、出来るだけ誰でも分かるように書きます。

 大抵の「授業時間内に出来なければ、持って帰って完成させてきなさい。」と言う先生は、きちんとした教材を作りません。あっても「課題用紙」だけです。

 「こういう課題に関しては、こういう風に考えるんだよ。」と教えてあげれば、大抵の学生は時間内にできるのです。いや、見方を変えればその「考え方」を学ばせるためのケーススタディとして課題があるのではないでしょうか。ですから「考え方」が理解できたと思えば、未完成でもかまわないのです。それは作品制作の途中の段階でも分かります。

 「完成させなければいけない。」というモチベーションは、「考え方」さえ理解すれば沸いてくるものなのです。人間の本性です。

 教師とは「考え方」を学ばせるのが仕事で、「作品」を完成させるのが仕事だとは思いません。飢えた人間に、「魚を与える」のか「魚の釣り方を教えるのか」の違いのような気がします。
posted by アサノ | 10:03 | 日記 | comments(0) | trackbacks(0) |
富士ゼロックス・ヒューマンインターフェイスデザイン開発部

 昨日は、横浜の天王町にある富士ゼロックス株式会社ヒューマンインターフェイスデザイン開発部にうかがいました。

 就業体験型のインターンシップの打ち合わせです。2年生の女の子3名が、日替わりで1つのデスクとMacを使って、仕事のお手伝いをします。

 横浜ビジネスパークの中にあり、凄くきれいなオフィスでした。これから約2ヶ月間、ルーチンワークを中心に、評価試験やアイコン制作のお手伝いをする予定です。

 富士ゼロックスさんのユーザ評価手法は、我々が今までお付き合いしていたリコーさんの認知科学寄りの評価方法と違い、感性評価が主体のようです。

 新しい技術に触れる機会ですので、頑張ってやってきてもらいたいものです。
posted by アサノ | 13:45 | 情報デザイン | comments(0) | trackbacks(0) |
宿題
 先日ある学校の先生と議論になりました。授業時間内に仕上がらなかった作品を、「持ち帰らせて完成させる。」のか「時間内に未完成でも提出させるのか。」についてです。

 その先生は、前者が当然だと言います。「普通美術やデザインの学校では当たり前です。」とまで言いました。普通ってあなた・・・。

 私は違うと思います。一切宿題も未完成作品の持ち帰りもさせません。先生がいる授業時間内に終わらせられない人間が、家に帰って指導無しで良い作品が作れるでしょうか。

 むしろ、「出来なければ持って帰ってゆっくりやれば良い。」と学生は授業中に集中せず、教師は遅れている学生を放置しているのではないでしょうか。

 もっと悪い事は、未提出作品が重なった学生は、次の授業でも前の作品を作っているために、教員が説明する新しい講義や課題に対する説明を聞いていないのです。まさに悪循環です。

 うちの学校では、8〜9年前から一切居残り、宿題、未完成作品の持ち帰り、追提出さらに補習授業をやっていません。

 最初は「時間をかければかけるだけ良い作品ができる。」と言う教員や学生が多くおりました。居残りや補習が学生サービスだという声もありました。

 しかしそれは違うという考え方が徐々に浸透してゆくと、教員は授業時間内に全ての学生に理解してもらおうと必死で教材を作り、学生は猛烈に授業に集中するようになりました。

 そのために、課題抱え込みのための成績不良やさぼりによる単位未取得者は激減したのです。更に驚いたことに、資格取得率やコンクールでの入賞も増えてきました。

 一見学生サービスだと思える授業形態も「最後はそれでなんとか。」という教員、学生共にの甘えに繋がっていたのではないでしょうか。

 世の中には「それがこの世界では当たり前。」と思っていることが、実はそうではないことが往々にしてあるものなのです。
posted by アサノ | 09:26 | 日記 | comments(0) | trackbacks(0) |
ゆびもじ練習あいうえお

 今年のゼミのテーマの一つである「ダイナミック・インフォメーション・グラフィックス」の勉強のために、CD-ROMを買いました。

 筑波技術大学の生田目先生と元多摩美の原田泰先生の「ゆびもじ練習あいうえお」という教育CD-ROMです。

 ダイナミック・インフォメーション・グラフィックスとは、動的コンテンツを使って、「情報」から一歩進んだ「知」を伝えたり学習してもらおうという考え方です。

 我々ゼミでも以前から、FLASHの動画を使って聴覚障害者のための手話教育コンテンツを作ってきましたので、とても勉強になりました。

 小学館から1000円で発売されておりますので、興味のある方は是非見てみて下さい。
posted by アサノ | 15:10 | 情報デザイン 関連図書 | comments(0) | trackbacks(0) |
採用説明会

 放課後にデザイナーになっている卒業生が来て、採用の説明会をやってくれました。入社7年目の男性と3年目の女性です。二人とも僕が授業を持ったことがあります。

 「男子三日会わざれば刮目して見よ。」と言いますが、びっくりしました。

 凄くちゃんとした社会人になっていました。会社の教育も良いし、本人の努力もあったのでしょう。一緒にみえた上司の方の「スキルより人物です。」「礼儀正しいということも重要なんですが、自分からドンドン提案していく人材でなくては。」という話が耳に残りました。

 うちのゼミ生はどうだろうか?
posted by アサノ | 18:48 | 日記 | comments(0) | trackbacks(0) |
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