経験デザインとエスノグラフィを語る私的なブログ
卒研打合せ IN 品川

 昨日は、品川の某社会議室にて、今年度卒業研究の打合せ。HONDAが2010年には紙のマニュアルを撤廃するというので、デジタルによる代替案を検討する話でした。

 本来は、マニュアルなど使わない機器やサービスを目指すのがUIデザイナーの本分ではあるが・・・。UIとマニュアルというのは表裏一体であり、過渡期として避けては通れない課題ではあるのだ。本ゼミの方針が「実装」である以上、やってみるかということに・・・。

 まずはユーザがどのような場面でマニュアルを必要とするかの調査から始めよう。今回はオブザベーションとコンテキスチュアル・インクワイアリーを使ったペルソナ/シナリオ法の良い研究事例にもなりそうです。

 ミーティング終了後、学生とは別れて大人だけで品川駅近くの路地裏に行く。何の変哲も無い階段を登るとそっけないドアに「営業中」の貼り紙が・・・。

 重たい鉄の扉を開けると、中は韓国料理屋さんでした。部隊チゲでチャミスルを飲む。一緒に居た某社の女子社員曰く「浅野先生と来ると、こんな所ばかりですよね。」だって・・・。

 お疲れさまでした。
posted by アサノ | 08:01 | 日記 | comments(0) | trackbacks(0) |
組込みソフトウェア開発における品質向上の勧め

 夏休みも終りに近づき、オフィスの机の上の整理をしている。うず高く積まれた書類の中から、小冊子が出てきた。どこで貰ったか全然憶えていないのだが、パラパラめくったらかなり面白いことが書いてある。

 「組込みソフトウェア開発における品質向上の勧め[ユーザビリティ編]」という冊子で、独立行政法人情報処理推進機構ソフトエンジニアリングセンター編になっているが、執筆陣はHCD-Netの人達のようです。

 組込みソフトウェア開発者向けに、ユーザビリティの大切さを簡易に説いたものですが、ちょっとした講義にも使えそう。このくらい簡単に分かりやすく人間中心設計についてまとめた本てありませんでした。

 600円はちと高いが、手にとってみることはお薦め致します。
posted by アサノ | 06:21 | 情報デザイン 関連図書 | comments(0) | trackbacks(0) |
カメラメーカーとビデオメーカー

 昨日サブカメラとしてパナソニックのDMC-FX100というデジカメを買いました。28mmのレンズを持ったコンパクトが欲しくて、CANONの新しいIXY910isを待っていたけど、待ちきれず・・・。

 なかなか良く写るのですが、既に持っているCANONのG7と比べると、作りが価格差もあることはありますが格段にちゃっちい。うう、IXYを待てば良かったかな、と思いつつある話を思い出しました。

 関係者から聴いた話ですが、半分は与太話だと思って聞いてください。

 かなり昔の話です。デジタルビデオカメラが開発され、各メーカー一斉に同時発売された時がありました。

 その日の朝、SONYのDV事業部長が社長に呼ばれて行くと、そこにはCANONのDVカメラが置いてありました。社長曰く「これを見ろ、きちんと精度高く作っているぞ。どうしてここまで出来ないんだ。」事業部長「・・・・」

 同じ朝、CANONのDV事業部長が社長に呼ばれて行くと、そこにはSONYのDVカメラが置いてありました。社長曰く「これを見ろ、こんなに雑に作っても出来るんだ。うちのコストと比べてみろ。」事業部長「・・・・」

 これはカメラ出身のメーカーにおける設計製品の精度やコスト意識と、ビデオカメラ出身のメーカーの設計製品の精度やコスト意識をあらわした逸話だとは思うのですが・・・。

 どちらが良いという訳ではないのですが、買う時の参考にはなりますよね。
posted by アサノ | 08:14 | 日記 | comments(0) | trackbacks(0) |
ペルソナはタレント?
 昨日日経BP社から電話があった。

 「先日の日経情報ストラテジーのペルソナ記事、書き足りなくてすません。」というお電話でした。

 「いやいや、読者の理解から言うと、最初はそんなものでしょう。」とお答えしました。まだまだ、初めて聞く人にとっては、耳障りが良い方がいいものね。

 「社内的にも好評だったので、これからも継続してペルソナを追って行きます。」とのことでした。HCDプロセスと言うと敷居が高いけど、ペルソナ君はなぜかタレント性がありますよね。

 マイナースポーツでもスター選手が出ると、その競技自体が注目されるようなことってありますよね。ユーザエクスペリエンスデザインが認知されるのには、こういう仕掛けも必要かもしれません。

 学内でも「情報デザイン」は流行らないけど「ペルソナ」は食いつきいいものね。ただし、そんなに簡単に抜群の効果は無いですよ・・・。
posted by アサノ | 08:09 | 日記 | comments(0) | trackbacks(0) |
後期 情報デザイン シラバス
 後期から始まる1年生一般講座「情報デザイン」のシラバスを考えている。180分間授業を15週分なので、かなりのボリュームの授業は出来そうである。ただ、情報デザインもユーザエクスペリエンスも知らない1年生なので、どのあたりから紐解くかが悩みどころですね。

07年情報デザイン・シラバス
http://www.asanoken.com/source/labo/07syllabas.htm

 HCDのプロセスを「旅をするためのシステム」をデザインすることで俯瞰しようと考えています。須永先生の「旅することのデザイン」のようにはいきませんが。この夏休みの経験を活かしたデザインが出来れば良いと考えています。

 このシラバスはベータ版ですが、これから1ヶ月ぐらいで精査して行くつもり。ご意見あったら聞かせてください。
posted by アサノ | 12:35 | 情報デザイン | comments(0) | trackbacks(0) |
情報デザインワークショップ後半戦

 夏休みもそろそろ終りに近づき、学生達がゼミ室に集まってなにやらやっていると思ったら。情報デザインワークショップ後半戦の打合せだった。

 次回は10/14(日)実施場所は横浜デジタルアーツ専門学校にて。プロトコル分析をやりますので、各チームFLASHで作ったUIのβ版が必要になります。
posted by アサノ | 16:39 | 情報デザイン | comments(0) | trackbacks(0) |
能力と慣れ
 昨日まで、20年度のカリキュラム改訂にたずさわっていた。いろいろな教員達と話しながら進めているのですが・・・。

 どうも「メタ認知力」に乏しい感じが否めない。いつも目先の、自分が知ってること、自分が出来ることでカリキュラムを作ろうとする。本当に今何が必要なのか、明日何が必要なのかの視点が薄い。

 先日行って来た大伸社さんで白根さんから、面白い話を聞いた。下図のようなものを見ながら、「能力の高い人間は、大きくものごとを捉えることができるが、慣れてしまうと細部しか見えなくなる。」という話だ。

 「旅行に行った先の土地は、ああ、こういう所なんだなと分かるが、毎日通勤している経路は細部しか見えてこない。」「普段見慣れている会社も細部しか見えない、だからコンサルティングは外部の人間がやった方が良いのだ。」とのことです。

 そうだよね〜。毎日やっていることを俯瞰するというのは、相当能力が高くなくちゃいけない。でもそれは、考える能力ではなく、行動する探す能力だと思うよ。

 毎日机に座ってPCだけいじっていて、各論に陥っている人って多いよね。自分と自分を取り巻く環境を俯瞰するためには、外から眺めるしか手がないと思う。やはり動かないと・・・。
posted by アサノ | 06:53 | 情報デザイン | comments(0) | trackbacks(0) |
ツインモニター化

 本日注文していたI-O DATA のUSB接続外付けグラフィックアダプターが届きました。私のデスクトップPCのグラフィックボードはツインモニターには対応していなかったので、これでばっちり♪

 ツインモニターというのは、使ってみると便利なものですね。

 黒須正明 監訳の「ペーパープロトタイピング」を購入。先日の講習会に参加できなかったから、これで少しお勉強しなくては。
posted by アサノ | 18:55 | 道具好き | comments(0) | trackbacks(0) |
成熟度の水準に対応した人間中心設計の進め方
 心理学者ビゴツキーの発達段階論というものがあります。5mしかボールを投げられない子供に、大人が投げ方を教えてあげれば10m投げることができるようになります。しかし、その子に無理に20m投げろと言っても投げる事はできないでしょう。

 発達とは大人や教師が主導していくのではなく、子ども自らが自らを膨らませていくことにあり、大人や教師の役割は、その「ふうせん」が破れないように支えていくことであるという考え方です。

 CIをやる時にその話をよくするのですが、子供を企業、大人をデザイナーあるいはコンサルタントと読み替えた場合、企業にもいろいろな発達段階があり、どの企業でもCIを導入する際にトップ企業と同じ取り組みをすれば良いものではないのです。

 ちょっと見ダサくても、その会社の現状に合っていれば良いのである。お煎餅屋さんのCIを、SONYと同じにやっても意味が無いということ。

 それと同じことで、HCDプロセスの導入に関しても会社や組織ごとに、受け入れるための土壌が違う。最近それを非常に痛く感じるのです。それも抵抗するなら良いのですが、意外と安易に「いいじゃん♪」みたいな会社が多く、かえって不安になることが多い。

 来月のヒューマンインタフェース学会で、黒須先生や鱗原さん、カイデザインの小川さんなどが「成熟度の水準に対応した人間中心設計の進め方」という講習会をやられるそうです。

 同じ事を考える人が多いのだなと思った次第。しかし、その講習会の参加費は会員でも15000円もします。資料だけだと2000円なので、それで我慢するか。ちなみに学生会員は2000円で聞けます。学生にビデオ撮ってこさせようかな・・・。

追加:2007年9月4日

人間中心設計機構講演会
黒須先生の講演から
posted by アサノ | 07:51 | 情報デザイン | comments(0) | trackbacks(0) |
自宅講評会

 高3の娘が、予備校の夏期講習が終って、描いたデッサンを持って帰ってきた。情報デザイン学科志望なので、想定デッサンが多いみたい。早速自宅内講評会開始・・・。

 私が見た感じでは、現役のデッサンとしてはまあまあかな。学科で点を稼いで、実技は落第点取らないレベル。思ったより黒いのは、入試では目立って好印象ぐらいですか・・・。そのうち、よしはし先生のところに持って行くそうなので、アドバイスよろしくお願い致します。

 夜は「らかん茶屋」で、六代目百合を飲む。お土産に「がんこ焼酎屋」を持って行ったら、らかんのご主人相好を崩しておりました。終業後にさっそく飲むそうです。

 がんこ焼酎屋を飲んだ後では、六代目百合は甘く感じる。がんこ焼酎屋のような「スタンダードだけれども力強い」という価値観て大切だよね。こういうエクスペリエンスは、自分の仕事だけでは理解できない。若者よもっと遊びなさい。

 酔っ払いのたわごとでした・・・。
posted by アサノ | 21:16 | 日記 | comments(1) | trackbacks(0) |
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