経験デザインとエスノグラフィを語る私的なブログ
インフォメーショングラフィックス展2008を見に行く

 武蔵工業大学の小池研究室「インフォメーショングラフィックス展2008」を見に行ってきた。

 毎年「どれだけ進化したのか」楽しみな展覧会です。

 自分から「説明させてください。」と言ってきて、プレゼンする学生。毎年思うんだけど、学生が説明してくれるのは自分が取材したこと。我々が聞きたいのは、それをどうインフォメーショングラフィックスに落とし込んだかという話。都築区の現状ではなく、都築区の現状をどうグラフィカルに表現したかが知りたいのにな・・・。

 学生も真面目に聞いてくるから、真剣に指導。良い意味での緊張感のある展示会ですね。後ろから「ああ!マジに指導してる。」の声。

 最近は、作品だけではなく分析やコンセプトのパネルも展示してあるので分かり易い。

関連情報:Information Design?!
posted by アサノ | 22:31 | 情報デザイン | comments(0) | trackbacks(0) |
ひたちなか市役所取材

 ドン行列車に揺られて茨城県にやってきました。上野駅から約2時間、勝田駅に到着。5月末とは思えない寒さと霧雨。

 目的地は「ひたちなか市役所」。ここは先日行われたHCD-Netの「地方自治体Webサイトのユーザビリティ評価(引越部門)2007」で305自治体中3位に入ったところです。そのサイトを作っている情報政策課に取材に来ました。

 同行者は、ゼミ生2名と横須賀市役所情報政策課のWebサイト制作担当者3名。特に横須賀市役所メンバーは「ひたちなか市のホームページ作成ガイドライン

は凄く良く出来てるよ。」と誘ったのでした。

ミーティング内容としては
・地方自治体Webサイトのユーザビリティ評価(引越部門)2007報告会の時と同じプレゼン
・ホームページ作成ガイドラインについて
・両市役所の懇談

 こうやって、違う組織がお互いの知見を交換し合うことはいいですね。学生たちも、自分たちだけで取材をするより「比較」でものが見れるので勉強になります。

 帰りに隣駅水戸に寄り、食事をして帰還。なかなか実りある小出張でした。でも寒かった・・・。
posted by アサノ | 07:42 | 情報デザイン | comments(0) | trackbacks(0) |
横須賀インタビュー 3回目
 横須賀通いも3回目。2名のユーザのうち1人を学生がインタビューしてみる。本来の業務であれば、全てのインタビューはひとりの人間がやった方が評価や分析のぶれが無いのですが。一応これも教育の一環なので、出来る限り学生に体験してもらいます。慣れてきたら、市役所のスタッフにもやってもらおうと思っています。

 ここで分かったこと。学生がインタビューすると、師匠と弟子の関係が上手くつくれること。特に高齢者の方は、孫のような学生によく話してくれます。ラポール(信頼関係)が形成され易いのですね。

 注意点は、話が脱線した場合。お孫さんを遊園地に連れて行く為の情報を検索した話の中で、どんどん遊園地の乗り物の話に盛り上がって行き・・・。その話が、本来の問題に関わりのあることかも知れないので、しばらくは続けますが。「う〜ん、ここまでかな。」と思ったら、話を元に戻さなくてはいけません。そういうあたりの「見切り」と「話の戻し方」は経験かな。
posted by アサノ | 06:06 | 情報デザイン 授業事例 | comments(0) | trackbacks(0) |
第55回日本デザイン学会
 今年も日本デザイン学会の日程が近づいてきました。我がゼミでは、それがゼミ合宿を兼ねており、毎年重要な行事となっています。また、就職したばかりの卒業生も、なんとか休みをとって参加してくれるのも良い伝統ですね。6月27日(金)から29日(日)まで広島の広島国際大学で行われます。

 今回は2本の発表があります。昨年行った「情報デザインワークショップ」の事例報告です。

□6月28日(金)14:40〜16:40 口頭発表
C10 情報デザインワークショップの事例報告
島村 隆一 *, 浅野 智 **, 佐藤 和彦 ***
(* 株式会社リコー ,** 横浜デジタルアーツ専門学校 ,*** 日本工学院専門学校 )

□6月29日(土)11:30〜12:20 ポスター発表
P19 万人のための情報デザインの学び
浅野 智 *, 熊野 幸代 *, 小出 有紀 *, 長谷川 真衣 *, 島村 隆一 **
(* 横浜デジタルアーツ専門学校 ,** 株式会社リコー )

詳しくは、学会の公式サイトで。
posted by アサノ | 07:19 | 学会活動 | comments(0) | trackbacks(0) |
ペルソナ作って、それからどうするの?

 昨日、情報デザインフォーラムのメンバーの棚橋弘季さんから5月30日に発売予定の「ペルソナ作って、それからどうするの?」ソフトバンククリエイティブ発行をいただきました。

 まだきちんと読んでいないのですが、ここ最近ドドっと出てきた「ペルソナ」実務書の真打か?今までペルソナをマーケティング手法と捉えたり、Web開発の手段と捉える本が多かったと思いますが、組み込みシステムにも応用できるように人間中心設計の観点から書かれているのが○ですね。

 ちなみのこの本の出版イベントがあり、私もパネラーで出席します。司会は大伸社の中村さんだそうです。

□日時 2008年6月24日 13:30〜15:30(会場13:00)
□会場 ハーモニースクエア・ハーモニーホール(中野坂上)
     http://www15.ocn.ne.jp/~harm-sq/
□セミナー名
イード・マーケティングセミナー
『ペルソナ作って、それからどうするの?』発売記念
「ペルソナ/シナリオ法を中心としたユーザー中心デザインの実践」(仮)
□主催 株式会社イード
□協賛 ペルソナデザインコンソーシアム
□プログラム
13:30〜13:35 挨拶(イード佐々さま)
13:35〜14:30 講演:棚橋弘季
14:30〜14:45 休憩
14:45〜15:30 パネル・ディスカッション
※パネル・ディスカッション時は、紙を配って質問を記入してもらったものを休憩時に回収し、ご記入頂いたものを答えるコーナーを設ける。
□対象者
イード既存クライアント・潜在顧客
デジタル機器メーカー・自動車メーカーのデザイン部門・ユーザビリティ部門、ポータルサイト、WEB制作会社の企画担当者、デザイン担当者、一般企業のWEBサイト運営者
□定員 90名〜100名
posted by アサノ | 05:53 | 情報デザイン 関連図書 | comments(0) | trackbacks(0) |
インフォメーショングラフィックス展 2008
 毎年楽しみにしている武蔵工業大学小池研究室の「インフォメーショングラフィックス展」が今年も近づいてきました。

 小池研究室は、2年生までまったくデザインのトレーニングを受けて来なかった学生さんが、3年でゼミに所属するなり猛烈な課題で成長して行きます。4月にMacを買って、5月末には Illustrator で作品を作ってしまうのですから、大したものです。先日も「プロトコル分析講習会」のお誘いをしたら「これ以上やらせたら反乱が起こります。」とマジな顔でおっしゃられるくらい追い込んで制作しているので、作品のクオリティが抜群に高いのです。

 今年はどのような作品が出てくるのでしょうか。ちなみに私は初日5月31日(土)の13時にヨシハシ先生と会場で待ち合わせです。

IG2008公式サイト
http://www.yc.musashi-tech.ac.jp/~design/ig2008/
posted by アサノ | 04:49 | 情報デザイン | comments(0) | trackbacks(0) |
ワークショップ 人間生活工学

 先日カミヒラ先生に教えていただいた本。「ワークショップ 人間生活工学 第1巻人にやさしいものづくりのための方法論」社団法人人間生活工学研究センター編 丸善株式会社刊 3800円

 著者は深沢直人・黒須先生などなど、そうそうたるメンバー。全4巻で平成17年2月初刊。第4章「イノベーションのためのデザインプロセス」では、京都工芸繊維大学の櫛先生が今一番注目のエスノグラフィー手法について具体的に書かれています。

 必見の書かも。
posted by アサノ | 07:42 | 情報デザイン 関連図書 | comments(0) | trackbacks(0) |
電話でインタビュー
 先週21日水曜日にForrester Research Inc. のブラウンさんから電話でインタビューがありました。日本で「ペルソナ」を導入している企業30社ぐらいにインタビューをしているとのことです。

 私には、それらの企業に行ったフォーマットからの質問ではなく、どちらかというとフリーなおしゃべりでした。私としては昨今のペルソナブームの仕掛け人の一人でもあるブラウンさんと久しぶりにお話できるのは願ってもないことなのです。彼はケンブリッジの日本語学科を出ているので、下手な日本人より日本語が上手いので安心。

そこで話したことのまとめ。

ブ:日本でペルソナを使う時に、経験上一番多く見られる失敗原因は何だと思われますか。
私:1)根気よくペルソナを使い続けるマネージャーがいないこと。2)インタビューをきちんとやらないこと。

ブ:反対に上手く行く例は。
私:あまり上司が介入せずに若手社員だけで組んだプロジェクト。

ブ:日本で今後もっとペルソナのマーケットがあると思われる業種は。

私:長期的視野に立った商品開発よりも、短期的なソフトウェアの開発。

1)現在のシステム開発の一番の問題が設計変更による「手戻り」だから。クライアントと開発者のコンセンサスをより詳細にとる必要がある。
2)長期的にペルソナを使い続けることは、日本人は民族的に向いていないと思うから。石で作った家に何代にも渡って住み続ける欧米人と、紙と竹で出来た家を「仮の住まい」として一生の中で何度も住み替える文化の違いを話す。

ブ:最後に、ペルソナ法を習える学校は日本にはいくつありますか。
私:私の知っている限りでは、本校と千葉工業大学。
ブ:オオ、やっぱりそうですか〜。

 短い時間でしたが、エスノグラフィーの専門家のインタビューは、私が今までまとめていなかった事柄を上手く上手く自分で考えて話すように仕向けてくれました。やっぱり上手いな〜。

 6月中旬にはレポートが出来るそうです。
posted by アサノ | 04:56 | 情報デザイン | comments(0) | trackbacks(0) |
神奈川県教科研究会情報部会で講演

 横浜清陵総合高校で行われた「神奈川県教科研究会情報部会の研究大会」で講演をさせていただいた。

 話した内容は 「専門学校における情報デザイン教育」〜人間中心設計プロセスを授業に取り入れる〜というもので、私のここ最近の情報デザインに対する取り組み事例を紹介した。

 最近は80分という長丁場の講演が無かったので、時間の読みが甘く、前半をゆっくり話してしまい後半が駆け足になってしまった。反省(汗)

 研究大会終了後、先生方と南太田の「串揚家」さんにて懇親会。高等学校における情報教育の問題や夢などをじっくりとお話いただいた。

本日のまとめ:
・高校教員の先生方は、研究事例よりも教育手法に興味をしめされる。
・情報教育はPC教育ではない。
・身体的な体験を重視する考え方は、高校の中ではコンセンサスとはなっていない。
・高校教員対象情報デザイン手法セミナーの相談を受けた。
・ここでもペルソナ法は食いつきがよかったな♪

関連情報:
総合学科「情報」日誌
神奈川県高等学校教科研究会・情報部会
posted by アサノ | 08:52 | 情報デザイン | comments(2) | trackbacks(0) |
横須賀インタビュー 2回目

 今回は高齢者のインタビューになりました。ここで気おつけなくてはいけないのが、インタビュアー自身が知識をひけらかしてはいけないこと。

 エスノグラフィックインタビューの場合は、インタビュアー(弟子)があまり知識があると進行上障害になる場合があります。「ここに問題があると思うのですが、どうでしょうか?」などとこちら側の考えを言ってしまいそうになる場面がありますが、被験者に師匠として教える気持ちを失わせては元も子もありません。事前の学習は当然必要ですが、それを語るのは控えるのがコツでしょうか。

 出来うる限り、師匠に自由に話してもらうことが大切です。特に高齢者の場合は、ご自分の考えに自信を持っている方が多いので、できる限り自論は引っ込めて、自由な発言をしていただくように気をつけましょう。その中に目からうろこの問題が隠れている場合も多いのです。

 教訓:半端な知識はひけらかさず、弟子に徹すること。尊敬心を失わないこと。
posted by アサノ | 04:52 | 情報デザイン 授業事例 | comments(0) | trackbacks(0) |
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