経験デザインとエスノグラフィを語る私的なブログ
経験デザイン 9回目 プロトコル分析

 今回は、コンセントの講座と連携プレーで、既存サイトのプロトコル分析を行います。早速DVカメラをかき集める。

 1年生の前期からプロトコル分析を教えるのは初めてなので、前日一生懸命スライドを作る。

 ゼミの評価ラボを見学してから、タスクシナリオ作り。
 先週作ったペルソナのゴールに合わせて、サイト内でのタスクを物語化する。
 タスクシナリオは操作のヒントになるようなことは一切書かない「アクティビティシナリオ」で、評価チームが持つ正解の作業ステップは実際の操作を書く「インタラクションシナリオ」になるのかな。

 最初のテストは、エキスパートテスト。まずは自分達でやってみます。もう慣れているから、早い早い。

 被験者が発話をスムーズに出来るように、Yahoo!のニュースを読み上げてもらうなどの工夫も必要。
 プロトコル分析のキモは、如何に被験者に思考と行動をアナウンスしてもらうかにあります。

 エキスパート2名のログを採って、本日は終了。来週はノービス4名のログを採ります。こういう作業をしている時の学生達は、本当に楽しそう。
posted by アサノ | 00:37 | 情報デザイン 授業事例 | comments(0) | trackbacks(0) |
クライアントとユーザの関係

 最近私のブログでは珍しく「高等学校Webサイトリニューアル支援 2回目ミーティング」というエントリーでコメントが盛り上がっております。
 このまま行くと炎上しそう(爆)なので、場を移してこちらで話します。

 要旨はサイトは「クライアント」のためのものなのか「ユーザ」のためのものなのかということです。
 先日の日本人間工学会アゴーデザイン部会の「第1回ビジョン提案型デザイン手法シンポジウム」でも言及されていましたが(上記写真)、HCDプロセスにのめりこむとユーザしか見えなくなりますが、当然クライアント側のビジネス情報というものも考慮しないと創造的な開発はできません。

 たとえばWebサイトであれば、ユーザは既存のものしか想像することは出来ませんが、クライアントは新しい技術や製品を市場に出そうと考えているかもしれません。

 以前「横須賀市役所のWebサイトリニューアル」でユーザのエスノグラフィックインタビューを行った時ですが。若いお母さんに保育園の情報を知るというタスクをやってもらいました。
 横須賀市のサイトを使ってみて「ああ、十分情報が得られて、問題ありません。」というお答えでした。皆さんはそれをユーザの声とすれば、そのサイトの情報は良いと思いますか。
 それではと、他の自治体の保育園サイトを見てもらうと「ああ、これこれこの方がいいですね。」とお答えになり、横須賀市の欠点を挙げ始めます。

 要は「ユーザは、自分が抱えている問題について構造化して話すことはできない」ので、根気よく聞きだしてあげることが必要になります。「ユーザが言っているから。」というのは、対象者のリクルートやインタビュアーの力量によって大きく変わるということです。
 また先日の情報デザインフォーラムで元アップルコンピュータの増井さんが「ユーザの声なんか聞いていたらi Phoneなんか出来ないですよ。」と言っていたのも印象的でした。
 
 何が言いたいのかというと、Webサイトに限らず製品やサービスの開発というのは、主はクライアント側の出したいものがありきで、それが受け入れられるかのインタラクションをユーザに参加してもらってより良くするのが理想かと思います。これをユーザ参加型のデザインと言います。
 HCD原理主義みたいになるのはなんだかな〜と思って、最近は学生にも「あまりユーザユーザ言うな。(笑)」と言ってます。

 また、クライアント側でも自分が何を伝えたいのか分かっていない場合があります。ユーザが特定されておらず、何を誰に売りたいのかも分からないことが。こういう案件は、ユーザにインタビューするようにクライアントからもじっくりと話を聞く必要があります。
 この案件は、技術屋さん達が今までに無い凄いソフトを作ったのですが、誰に何のために使ってもらうか考えずに出したために全然売れなかったのを改善したプロジェクトです。その会社の若手社員の方達と、一緒にそのソフトの特性を考えなら進めました。この場合は、ユーザにはあまり聞いても意味が無かったですね。開発者や営業の人達を中心にインタビューしました。

 そうそう、クライアントが重要ならクライアントのペルソナも作ればというご意見もありました。ペルソナを作る以前にキャストというステークホルダーを数多く作ります。それにクライアント戦略の網をかけてペルソナを選び出します
 
ぐちゃぐちゃして来たのでまとめます。
◇創造的な開発のイニシアチブはクライアント側にある。ユーザは過去しか知らない。
◇Webサイトを作ると言うことは、クライアントの戦略とユーザとのゴールの融合点を見つけること。
◇クライアントもユーザも自分が伝えたい事や不満を言語化出来ない。
◇クライアントもユーザもじっくり話を聞いてあげないといけない。

 HCDプロセスの導入は、きっちり決まった手法では無く、案件ごとに流動的なものであります。クライアントの意識や会社風土、ユーザの意識やリテラシー能力など案件ごとに様々ですよね。
 HCDプロセスは「こうでなくてはいけない。」という事は無く、もっとクライアントそれぞれのコンテキストに合わせた導入方法があるのかな。

 私の考え方って「ゆるい」のでしょうか?まあブログのエントリーで書ける事なんてこんなものなので、質問や意見のある方は、是非会ってお話し致しましょう。じゃないと行間が読めないよね。


関連情報:DESIGN IT! w/LOVE
なんでもかんでもユーザーに聞けばよいってわけじゃない。
posted by アサノ | 11:16 | 情報デザイン | comments(5) | trackbacks(1) |
名古屋B級グルメの旅


 27日(金)夕方。名古屋駅5・6番線ホーム「住よし」にて、かき揚きしめん。おお、これから名古屋のB級グルメを堪能するぞ〜。

 夜遅く錦の「だるま」で生ビール。つまみは味が濃くて2品ぐらいでギブアップ。
 いや〜、隣の人の名古屋弁がうるさいのなんのって。(笑)これが3日間続くのかい?

 食べている隙間に学会で発表する。ウソ

 28日(土)発表後の打ち上げに「伏見のうまいもん舎 山」で手羽先揚げを食べる。味の濃さに、4人で4〜5品でお腹一杯。
 「山」は世界の山ちゃんの系列店なので、手羽はスパイシーで美味しいが、そんなに食べれるものでもありませんでした。

 名古屋デザインセンタービルに行ってみるが、夜中なので何も見れず。当たり前だ。

 「錦三ハイボール酒場」で角ハイボール1杯300円を飲む。

 ホテル近くに戻りスペインバルの「Bar Espana2」でティント・デ・ベラーノ2杯。それでぐっすり・・・。

 29日(日)朝ごはんはホテルで和定食。サバの塩焼きでご飯二杯。旅に出ると、なぜか朝ごはんがすすむ。この時点でお腹パンパン。
 栄までバスで出て「コメダ珈琲店」でサマージュース(甘夏みかん)」と「シロノワール小」でお茶。
 シロノワールとは、この店の名物で暖かいデニッシュにソフトクリームが乗っていて、それにメープルシロップをかけて食べる。小さいサイズを食べたが、甘さで頭が痛くなった。

 昼に錦で櫃まぶしを食べようとkojicozy親子も行った老舗「いば昇」に向かうも日曜定休で断念。(涙)

 すぐ隣の味噌煮込うどん「山本屋本店」は、もう名古屋の八丁味噌はつらいのでパス。ランチで1575円は高い。うどんだよ・・・。夜は2千円以上します。

 やむなく名古屋駅まで移動して名鉄百貨店9階の「まるや本店」に行くも、大行列で断念。
 エスカ地下街に行き「備長」に入る。ここも行列だったが、一人だったのでカウンター席が空いていてすんなり着席。

 最後のお茶づけは煎茶ではなく出汁をかけるタイプ。私は煎茶か番茶の方がさっぱりして好きだけど。うなぎが関東のうなぎよりもカリッとしてました。これが櫃まぶしの特徴かな。

 最後に学会風にまとめ。
□名古屋の食べ物は、味が濃くてどうも私には合わないみたい。
□多分マヨネーズの消費量も日本一ではないか?
□名古屋にはきっと住めないと強く思う。トホホ

※注:これは個人の味覚や嗜好の問題で、名古屋の食文化を否定するものではありません。
※関連情報:オカケンブログ(この人達も食っとる)

posted by アサノ | 00:31 | 今月の地方めし | comments(0) | trackbacks(0) |
日本デザイン学会 第56回春季研究発表大会に来ています


 日本デザイン学会第56回春季研究発表大会のために名古屋市立大学に来ています。

 ポスターセッション会場。手前は井上先生の「”体験”を”学び”に変える手法としてのリフレクション」の発表。
 私も共同研究者ですが、カメラマン役に徹す。

 私は午後一番の発表で「調査から始めるデザインのコンセプトメイキング手法研究」。小ぶりな会場でしたが、満席になり少し嬉しい。写真を撮ってくれた未来大の根岸さんありがとう。自分の発表姿見たの初めてです。

 ソフトディバイス野々山くん、コメントありがとうございます。

 次の発表で、寺沢先生がズバリ「リフレクション」を分析。流石です!

 C会場では小池先生が座長。質疑応答で積極的な質問者がいない場合に、座長がコメントしなくてはいけないので力量が問われます。「おお、なるほど!」というコメントを連発。それにいつもよりおしゃれ。

 発表後、情報デザイン部会の会合へ参加。若いメンバーが増えましたね。ここで「情報デザインの教科書」の宣伝をする。

 寺沢先生から9月に「ハコセミ」のご案内。道外の学校から10名の枠があるそうなので、希望者がいらっしゃいましたらお早めに。

 ホテルの近くの「伏見のうまいもん舎 山」にてご苦労さま会。

 名古屋名物「手羽先唐揚げ」や「味噌カツ」を食べる。味が濃いので、すぐお腹一杯になった。

◇関連情報:
◇Design na Zoo「学会」 未来大院生名塚さんのブログ
◇Traumereiデザイン学会」 武蔵工大OG山田さんのブログ

posted by アサノ | 06:39 | 学会活動 | comments(2) | trackbacks(0) |
プロダクトデザイン 商品開発に関わるすべての人へ

 執筆に参加させていただいた「プロダクトデザイン 商品開発に関わるすべての人へ」が、7月より発売になります。
 それに先立ち、6月26日からの日本デザイン学会で販売されます。ちょっと売り場の近くに立って、だれが手に取るか見ていたいですね。

日本インダストリアルデザイナー協会の会員と日本デザイン学会の会員を中心に、47人の著者と、12人のコラム執筆者に書かれました。この本は、商品開発に関わるすべての人に必要なプロダクトデザインに関連する知識を体系的に学ぶことができる本です。企業での教育資料として、大学の教科書として、個人の学びの本として活用ができます。また、プロや専門家にとっては、必要な情報が手に入る辞書のような活用方法ができます。

コラム執筆者:浅香嵩、栄久庵憲司、大倉冨美雄、川崎和男、喜多俊之、木村一男、吉良康宏、黒川雅之、廣田尚子、福田哲夫、村田智明、山内勉

著者:浅井治彦、浅香嵩、浅野智、五十嵐浩也、井上勝雄、上田義弘、上原勝、植村公平、大木誠、大倉冨美雄、大島義典、岡田英志、小川英爾、金井宏水、木村徹、栗坂秀夫、郷健太郎、小林昭世、五味飛鳥、佐藤弘喜、島村隆一、杉哲夫、高橋靖、武正秀治、谷川憲司、塚原肇、津田君江、長尾徹、長沢伸也、野口尚孝、野口正治、橋本優子、長谷高史、早川誠二、日比野治雄、福田哲夫、藤本英子、堀越敏晴、松岡由幸、松本有、山内勉、山岡俊樹、山口正幸、山崎和彦、山中敏正、横田英夫、吉田美穗子

 山崎先生のブログ経由


 デザイン学会での販売ブース。みんな買ってくれ〜。
posted by アサノ | 00:49 | 情報デザイン 関連図書 | comments(0) | trackbacks(0) |
名古屋駅 立ち食いきしめん「住よし」
 日本デザイン学会で名古屋に来ています。先ほど着いたばかりなのですが、まずは名古屋駅ホームの立ち食いきしめんで腹ごしらえ。

 なぜ駅の立ち食いかというと。ここのきしめんは名古屋で一番美味しいと知られているからです。
 あの1日3万PVを誇る「さとなお.com」にも書いてある。

 名古屋駅には、各ホーム毎に立ち食いきしめん屋がある。本当です、写真を見て。その中でも3・4番線のホームが一番美味しいという説と5・6番線のホームが一番だという説がネット上を賑わしている。その真偽を確かめに、わざわざやって来た次第。
 おいおい、明日の発表は・・・。

 どうやら5・6番線ホームの店は、天ぷらが揚げたてなのだそうだ。他のホームの店は、ここで揚げた天ぷらを使うらしい。

 そのせいか、他の店がクローズドタイプなのに、ここだけはレトロなオープンキッチンタイプ。
それがまた雰囲気なのかも。

 ほら、5.6番線でしょ。名古屋にお越しの節は「名代きしめん 住よし」へどうぞ。
posted by アサノ | 00:34 | 旅好き | comments(0) | trackbacks(0) |
デザイン思考の仕事術

 情報デザインフォーラムのメンバーの棚橋さんから、執筆された本を頂きました。

■書名:ひらめきを計画的に生み出すデザイン思考の仕事術
■著者:棚橋 弘季
■出版:日本実業出版社

 この本を書くのに忙しかった時に「情報デザインの教科書」の原稿もお願いしていて、大変だったと思います。これで心置きなく書けるよね・・・。(笑)

 名古屋から帰ったら、じっくり読みます。ありがとうございました。

 本日から名古屋で日本デザイン学会に参加です。留守の学校ではオープンキャンパス中。発表が終わったら速攻で帰る予定ですが。取りあえずは、ゼミ紹介のポスターだけは作ってきました。
 今年は私の情報デザインゼミに加えてWebゼミも暫定的に見ているので、首が回りません。早く誰か有能な人にバトンタッチしたいと思っていますので、我と思わん方は本学の採用担当までよろしくお願い致します。

 おお、今気がついた「情報デザインゼミ」が「情報ゼミ」になっている。デザインしないってこと・・・。
posted by アサノ | 07:09 | 情報デザイン 関連図書 | comments(0) | trackbacks(0) |
赤坂 兄夫食堂

 昨夜は、赤坂のライブハウスに学生の演奏を聞きに行ってきました。

 ライブハウスっていうのは、大体が怪しい場所にあります。へぇ〜赤坂にこんな場所あるのという所。

 うちの学生君の演奏。贔屓目じゃなくて、次に出たバンドよりも数段上!ガンバレー!!

 その後、プラザミカドの向かいの韓国料理「兄夫(ヒョンブ)食堂」へ。この辺りは韓国料理屋さんでいっぱいです。

 ネイティブな雰囲気の店内。韓国のテレビ放映中。猥雑な感じがいいですね。

 「サンナッチ(生ダコの刺身)」写真じゃ分からないけど、うにょうにょ動いてます。口に入れると吸盤で吸い付く。

 人気メニュー「海鮮チジミ」カラッとしてて、美味しい。

 「生サムギョプサル」キムチと一緒に鉄板で焼きます。美味しそう・・・。

 焼けたらサンチュにネギサラダとコチュジャンを挟んで食べます。

 最後はやはり「部隊チゲ」。一緒に行ったチカ先生は初めて食べたそうです。美味しいと褒めてました。飲み物は韓国焼酎と梨サワーを飲んだ。梨サワー飲み易くてやばい。

 厨房。24時間営業。いったい誰が朝から韓国料理食べるんですかねぇ?

 レジには韓流スターの写真がベタベタ。韓国の俳優さんやミュージシャンが日本に来ると、この店に来るそうですよ。
 今朝は睡眠4時間で目をこすりつつ出勤。授業を終えたら、夕方より学会のため名古屋に移動します。明日は発表だから、今夜は大人しくしていよう・・・。
posted by アサノ | 01:27 | B級グルメ | comments(0) | trackbacks(0) |
高等学校Webサイトリニューアル支援 2回目ミーティング

 県立高校にて2回目のミーティング。ペルソナを精緻化して、ユーザ別のナビゲーションを提案。

 「インパクトのあるサイトにしたい。」と校長からの要望があり、FLASH版も持って行くが、いまいち人気なし。
 ここで思うのは、4人の学生が関わっているのだが、持って来た案がFLASH版1点とHTML版1点の計2点のみ。
 2名の学生がそれぞれ1点づつ作って来た訳だが、途中での擦り合わせも何もなく、高校の先生から「あまり変わらないですね。」と言われて汗。
 こういうやり方は誰が教えたかしらないが、全然グループワークになっていないので困る。
 もっと早い段階で、チーム全体でプロトタイプを沢山作って欲しいと思う。ペーパープロトタイプを作っても1種類だったりしてはいけないのよ。

  イメージ ≠ 質
  イメージ = 量

 ウンウンいって考えた1案よりも、さっさっさと出した10案の中の方に良いものがあることを憶えよう。

 今年度の研究課題として、県立高校サイトのユーザビリティ&エクスペリエンス・ランキング選考と、ベストプラクティスの作成を目指そう。

△神奈川の特色ある高校づくり(はいすくーる・わんだ〜らんど
posted by アサノ | 00:21 | その他の授業 | comments(12) | trackbacks(0) |
(株)コンセントの講座 第2回目 

 今週はワークシートを使って、企業の理念、ブランドスローガン、主力商品、競合他社などを書きだします。

 私達教員からすると、う〜んこれだけの量を150分で・・・。と思ったのですが、学生達は凄い勢いで書き上げてくれました。
 いつも甘やかしているのでしょうか。或いは、学生の能力を過小評価していたのかも、許せ。

 最後は各チームごとにミニプレゼン。

 皆プレゼンは結構慣れていて話すのは上手かったですよ。話すことで気がつくことがある。
 来週はユーザ調査、頑張ろう!
posted by アサノ | 00:08 | 情報デザイン 授業事例 | comments(0) | trackbacks(0) |
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