多摩美上野毛校舎の植村先生からのお誘いで、プロダクトデザイン科3年生の授業成果発表会を見に行ってきた。
■日 時 :日時:2009年10月26日 (月)19:00〜20:30
■発表作品:全12作品
■指導教員:長田純一、植村朋弘
■タイトル:「コミュニケーションロボット」のデザイン
■課題テーマと主旨:
情報機器を対象としたデザインでは、ハードウェアのスタイリング
デザインから、インタフェースのデザインへと対象が広がりまし
た。今後、さらにデザイナーに求められる事柄は広がっていくと考
えられます。その中には音声情報や動きの情報の他、愛着や感情と
いった情緒的なもの含まれ、デザイン対象も家庭用ロボットなど新
たな人工物となってゆくでしょう。
まずは学食で腹ごしらえ。夕食です。ラーメン&半チャーハン&から揚げで460円。昔院生だったころは毎日通った食堂。学生数が少ないので、なんとなく猥雑さよりもアットホームな雰囲気が漂う。
今回は、今書いている「HCDのためのアクティングアウト」の取材のために、先駆者の一人である植村先生に取材をするためでもあります。
学生の制作プロセスの中でも、要所々々にアクティングアウトが取り入れられており、とても参考になった。
また、我々がユーザ像を追求するのに対して、上野毛ではとことん人工物側に立ってコンセプトを作るのが面白い。要するにキャラ設定に力点が置かれているように感じた。
ちなみに、写真のロボットは大阪のおばちゃんがモチーフである。
おお、見たことある顔をした子がいると思ったら・・・。東京都市大小池研究室の面々でした。夜遅くまで熱心です。
君たちとまったく正反対の美大っぽい開発プロセスは良い勉強になったのではないかな。人間は比較によって、己を知るものだ。
「おお、泡を吹いている歯ブラシだ。」と言ったら、
高村に「ひげです。」と言われる。このチームは、グラフィックやモックアップのクオリティが高い。ついマジに講評してまった。
各プレゼンには、ユーザの使用状況のムービーがついている。
これもアクティングアウトで言うところの「プレゼンテーション」である。これは真似したい授業手法だ。
発表会の始まる前に植村先生からうかがった話で、アクティングアウトは周囲の環境を知ることも役割の一つだとのこと。
そういえば騒音の多い所での警告音とかは、静かなところのものとは違うよね。言われてみれば当たり前のことだが、机上のデザインではそれは分からない。
我らが小池先生の総評。今回の発表会は、本当に面白かった。自動販売機ロボットをダンボールでプロトタイプして、上野毛駅まで自分が入って歩いて行った学生がいたそうである。こういう人工物に成り切る検証は、今まで考え付かなかったな。目からウロコです。
それとNECの長田さんの授業運びと講評に感動した。最後の言葉が「新しい価値を生み出すのはデザイナーだ!」なんてポジティブなんだ。