恵比寿のDMM.comさんで、年間を通じての社員研修が始まった。
こういう試みは4年前のNHN Japanさんのように伸び盛りの企業さんならではなのかもしれない。
楽しみだな〜。
まずはブートキャンプネタの「カップ焼きそば」のオブザベーション。
HCDやUXデザインのメンタルモデルを作ってもらうのが狙いである。
今回の研修は平日の終業後なので、1回だいたい3時間ぐらいか。
通常のワークショップでやることを2分割して行うイメージだ。
まずは、カップ焼きそばを食べてもらう。
被験者の属性はヘビーユーザーもいれば初めて食べる人もいる。
この写真は、ヘビーユーザーがマニュアルには無い、麺の下にカヤクを入れているところ。
時としてユーザーは設計書の意図しない操作を経験的に最適化するものである。
カップ焼きそばを、アプリやソフトウェア、はたまたデバイスだと思って観察してみると、思わぬ発見があるものだ。
カップ焼きそばというメンタルモデルを持っていない人は、面白い行動をする。
こういう事象ほど貴重なものは無い。
北海道の人はカップ焼きそばの湯切りしたお湯を飲むと聞いたことがある。w
ペヤンガーの常識
・かやくを麺の下に入れる。
・湯切り口の爪を先に空けておく。
・お湯を入れて温めてる際にソースをフタの上に置いて温める。
・温める時間は3分ではなく2分30秒。
・湯切りする際にシンクが「ボン」となっても驚かない。
・湯切り後に蓋に麺が付いてたらデコピンで落とす。
・ソース袋は細めに開けてまんべんなくかける。
湯切りは一番エラーが出やすい作業ステップだ。
しかし、それらの事柄をユーザーは困ってはいない。
人間はレッスンを繰り返すことで、殆どの問題を乗り越えてしまうのだ。
むしろ、こういうことに着目しよう。
大抵の人は、3分間麺を蒸らしている間スマホをいじっている。
問いを立てよう。
・人は3分間でも「なにもしない時間」を持て余すのだろうか。
・いじっているスマホで何をしているのだろうか。
観察メモを各観察者から出してもらい、統合して清書する。
ここでカードを使って視覚化するのは良いが、かなり大事になって時間を食い始める。
この辺りは、観察者を2名にした方が統合しやすいかも。
また3名でやった場合は、一番良い人のメモをベースにして、他の観察者のコメントを足すのでも良いだろう。
私がもう少し上手く説明すれば良かったですね。
あまりこの辺りで時間を食うのはもったいないが。。
何事も、無駄で時間を食うことを山ほど体験することによって、洗練された作法を身に着けるものなのだ。
ゼミ生だと、当然こちらのアプローチを取るのだが。
時間の無い社会人ワークショップの実施者としては、その辺りのジレンマがある。ww
今回の反省:
どうも私の説明が悪かったようで。
1)被験者は発話思考はするが、説明的な言動はNG。
2)モデレーターは、被験者が作業中は質問はしない。
3)モデレーターは、テスト中は黙ってしまった被験者の発話を促すだけ。
4)他の観察者は、テスト中も終了後も質問はしない。
これらの事柄が伝わらず上手く行かなかったチームがあったようだ。
解説:
1)と2)は、出来る限りリアルなユーザーとして振る舞って欲しいので。テスト中は個人で一人部屋の中で食べているようなシーンを作りピュアな発話だけ取りたい。
3)は、普通に「しゃべって下さい。」と言えば良い。質問をして発話を促す必要は無い。
4)は、モデレーターは戦略的に質問を構成して問うているので、他の質問者が興味本位で割り込むと、めちゃくちゃになってしまうため。
結構、インタビュアーというものは答えを導き出すために、あの手この手を尽くしているものなのだ。
◇DMM.com 2014年度東京社内研修アーカイブ
05月28日#02:オブザベーション2(分析と記述)
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