経験デザインとエスノグラフィを語る私的なブログ
ワークショップにおけるコツの研究(6)ネームプレートはどこに
 ワークショップでは主催者がネームプレートを用意してくれることが多い。
 チーム内で、なるべく早くお互いを知り合えればという心配りなのであろうが。。
 名刺を入れるのは最悪で、せめてマーカー類でよく見えるようにはっきりと自著してもらいたい。
 それでも、あまりよく見えないのが事実だ。わざと見えないようにする輩もいる。ww
 この子は未来大の学生で、ネームプレートはこのくらい大きくなくては役に立たず、しかも高い位置に無いと読みにくいということをよく知っている。
 流石はワークショップ慣れした未来大ならではのノウハウだ。
 大人だと所属を書きたがらない人もいる。
 名刺交換では無いので、所属先よりもその人の属性が知りたい場合もある。
 名前以外に「デザイナー」とか「エンジニア」とかでも書いてもらうとありがたい。
 大体、パーティーではないので胸から下げる必要も無い気がする。
 テーブルに向かって座られてしまうと、背後にいる主催者やファシリテーターからは読めないので、結構やりにくいものだ。
 写真のように、自分のペットボトルにでも付箋を貼ってくれると嬉しい。
 やはり慣れている大学から来た子は、こういうちょっとした所作がワークショップを活性化させることをよく知っている。
 これは面白かった例。東大中原研の館野さんのワークショップで、飲み物の紙コップに名前を書くという方式。
 ゆるめのワークショップでは、直接名前を晒すという障壁が無くて良いかも。


◇ワークショップのコツ、アーカイブ
   第01回:三種の神器
1)WS開始時
 第02回:募集から始まるWS 
 第03回:チーム編成
 第04回:グループは内輪で組まない
2)WS実施 
 第05回:シャーペン禁止
 第09回:模造紙の貼り方
posted by アサノ | 00:11 | ワークショップのノウハウ | comments(0) | trackbacks(0) |
ワークショップにおけるコツの研究(4)グループは内輪で組まない
 グループは出来るだけ、普段接触の無い人間同士で組ませた方が緊張感があって良い。
 知り合い同士だと、WSの経験が無ければ無いほど内輪受けのアウトプットを目指す傾向がある。
 以前もある企業で行った研修で、全員同じ部署だったため普段一緒に業務を行っているメンバーでペルソナを作ってもらった。
 そこで出て来たのは、まったくインタビューとは関係の無い、WSに参加していない同じ部署の人物そのままであった。
 笑いながらそれを出してきたチームは、楽しかったかもしれないが、勉強にはならなかっただろう。
 地域のコミュニティーのWSの場合は、適度に勤め先や職種、WSの経験値などでシャッフル出来るので良いのだが。
 企業の研修であれば、出来る限り他部署、他業種の人間でチームを組んでもらう。
 それが難しい場合は、1グループに1、2名のWS慣れした学生を配すると緊張感が生まれる。
 また、新しい形のインターンシップとしても学生にもメリットがある。
 写真は、企業研修でうちの学生の池田くん(右端)がチームをリードしているところ。

※追記:1st Holdings Inc.の太田文明さんがfacebookにいいこと書いていたので転載。
 これは本当にそう。
 異なる知見をぶつけあってエッジの効いた議論になること、そして相手のことを "わからない" という状況でいかに "わかる" か、 "わからせる" か、というダイアログが活発に発生することがとても大事。なんたって、発想と創造のための営みなんだから。
 単に情報を交換したり整理したり合議にもってったりするならワークショップである必要もなくて、ホワイトボード使ってみんなで会議(20世紀型)をすればよし。


◇ワークショップのコツ、アーカイブ
   第01回:三種の神器
1)WS開始時
 第02回:募集から始まるWS 
 第03回:チーム編成
 第04回:グループは内輪で組まない
2)WS実施 
 第05回:シャーペン禁止
 第09回:模造紙の貼り方
posted by アサノ | 00:09 | ワークショップのノウハウ | comments(0) | trackbacks(0) |
ワークショップにおけるコツの研究(3)チーム編成
 今日はWSにおけるチーム編成の話。
 一般的にグループは奇数で組んだ方が議論が分かれた時に半々にならずに良いと言われている。
 これも一理あって、ある部分では正しいがWSの実情に合っている場合と合わない場合がある。

1)まずWS全体の人数を考えてみよう
 最終的に全チームがプレゼンをして、講師が講評するとなると。プレゼン5分+講評5分で、6チームいれば60分だ。
 WS自体が3〜4時間だとすると、バカにならない時間がかかる。しかも、きちんと発表させて講評しないと、どんなに良いWSでもCSは極端に悪くなるものだ。
 という訳で、全体でチームはいいところ5〜7チームが限度となる。

2)1チームの人数は
 体験的に言えば4名〜6名だ。簡単な課題であれば4名でも良い。6名以上になると、必ず考えていない手を動かしていない人間が出る。
 理想は5名だ。複雑な課題で分業をしなくてはならない時。頭を使う仕事は3名、単純作業は2名で出来る。
 単純作業とは言え、1人でやるのは心もとないので2名は必要。
 頭を使う仕事は3名の方が議論して進められる。2名だと声の大きい人間に引きずられる傾向が強い。

3)結局5名のチームが5〜7ということは、WSは25名から35名ぐらいでやるのが一番良いという事になる。
 私は、いつも大体その人数で行っている。
 そのため、地方で東京から講師を呼んでWSを開いて会場費・消耗品費・スタッフの経費・講師のアゴアシマクラを捻出すのはなかなか難しいということだ。


◇ワークショップのコツ、アーカイブ
   第01回:三種の神器
1)WS開始時
 第02回:募集から始まるWS 
 第03回:チーム編成
 第04回:グループは内輪で組まない
2)WS実施 
 第05回:シャーペン禁止
 第09回:模造紙の貼り方
posted by アサノ | 00:12 | ワークショップのノウハウ | comments(0) | trackbacks(0) |
ワークショップにおけるコツの研究(2)募集から始まるWS
 まずは、募集から行きましょうか。
 最近ではWeb上に様々なツールがあり便利になって来ました。
 私は「こくちーず」を良く使っていますが、決済機能が無いのでよくドタキャンされます。w
 決済機能のあるものではPayPalを使った「Zusaar」などがありますね。
 セミナーや勉強会が増えると絨毯爆撃的に申し込んで、その日の気分で無断キャンセルする人がいますから、その対策は必要かも。
 無料セミナーは、もっと責任感が無くなるのか無断キャンセル率は高いです。

 先日行った第6回WebUX研究会は、94名の参加申し込み中無断キャンセルが10名もいました。更にそのうち懇親会を予約して来なかった人が7名いました。
 お店はその分の料理は作っているので、研究会がそれを被る訳です。後から請求するのもありなのですが、そういう不毛な事にエネルギーを使いたくない。
 結局、ボランティアベースで講演をしている人達が持ちだすことになります。
 これはコツの話しでも何でも無いので、皆さん無断ドタキャンはやめましょう。損するぐらいだったらやりたく無いよね。。

 ではコツの話を。
 先日、東大の中原研の舘野さんがこんなブログを書いていました。

 事前に以下のような参加者の声に答えるというのがありました。
 ・今回の参加者はどんな人がいるのだろう
 ・どんな関心で申し込んでいるんだろう

 私の行うWSは忙しい社会人が多いので、事前に宿題をやって貰うとかは難しいのですが。
 「こくちーず」ど募集する時は、参加者を公開します。

 参加者の氏名とTwitterのIDを公開しています。
 これによって「あの人も参加するんだ。」とか「Twitterでは知っているけど、どんな人かしら。」という興味が湧いてきます。
 「個人情報は出したくない」という人はWSに来なければ良いので、特に嫌がられたことはありません。
 先日のWebUX研究会も94名の実名が集まりました。
 それと見逃せないのが、登壇者やファシリテーターのモチベーションです。
 やはり、どんな人が来るか知りたいですよね。
 ひとつお願いは、こういう時のメッセージに誰も同じように「よろしくお願い致します。」だけ書くのはやめましょう。w
 どんな人が、どんな思いで来るのか共有したいですよね。 

 Zusaarでは、氏名ではなくFacebookやTwitter,mixiなどのIDを公開する方法もあります。

 リクルートのATND BETAにも同じ機能ありますね。


◇ワークショップのコツ、アーカイブ
   第01回:三種の神器
1)WS開始時
 第02回:募集から始まるWS 
 第03回:チーム編成
 第04回:グループは内輪で組まない
2)WS実施 
 第05回:シャーペン禁止
 第09回:模造紙の貼り方
posted by アサノ | 00:09 | ワークショップのノウハウ | comments(0) | trackbacks(0) |
ワークショップにおけるコツの研究(1)三種の神器
 最近「ブログを見ると、全然本業そっちのけで遊んでいるようにしかみえない。」というご批判が多く。。
 それでは、先日HCD研究発表会で報告した「ワークショップのコツ」について、何回かに分けて書いて行こうと思う。

 まあ、コツとなるとこの3年間ぐらい随分と手法研究の論文を書いているので、証明されているものもあれば、経験値による帰納的な推論もあるので、おかしかったらご意見下さい。 
 それでは、模造紙(方眼入り)・プロッキー・ポストイットの三種の神器を用意して始めましょうか。
 ちなみに写真は、5名チームの理想的なグッズね。
・模造紙は壁に貼るためのテープも忘れずに。
・プロッキーはよく8色セットとか買っちゃう主催者がいますが、それだけの色を戦略的に使える人はまずいない。w 

 むしろひたすら字を書くので、見やすい黒が良い。たまにアクセントをつけるために、赤・青1本ずつ。
・ポストイットは75mm×75mmが3色あると良い。更に贅沢を言えば127mm×75mmが1色あると尚うれしい。
 カードソートのコツで「それを読んだら光景が目に浮かぶように」というのがある。そのくらい書くには、かなりカードの大きさが必要。

 ワークショップのコツは、以下の3段階に分けて書いて行こう。
 1)WS開始時
 2)WSの実施
 3)WSの終了後(振り返り)

 それでは、次回よりスタート!

◇ワークショップのコツ、アーカイブ
   第01回:三種の神器
1)WS開始時
 第02回:募集から始まるWS 
 第03回:チーム編成
 第04回:グループは内輪で組まない
2)WS実施 
 第05回:シャーペン禁止
 第09回:模造紙の貼り方
posted by アサノ | 00:08 | ワークショップのノウハウ | comments(0) | trackbacks(0) |
Search this site